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CWCで本田圭佑を止めたコルテース。
新潟で育ちグレミオで打倒レアルを。
posted2017/12/16 11:30
text by
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph by
Getty Images
クラブワールドカップの準決勝で、本田圭佑擁する北中米カリブ王者のパチューカ(メキシコ)を延長戦で下した南米王者、グレミオ(ブラジル)。
時に容赦のない批評も厭わない一方、肥えた目も持つブラジルメディアの多くが「真の殊勲」として認めたのは、リオ五輪の金メダルメンバー、ルアンではなく、途中出場で決勝点を叩き出し、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたエベルトンでもない。
ほんの1年前まで、アルビレックス新潟の左サイドをアップダウンしていたコルテースこそが、グレミオの勝利に欠かせない男だった。
11月29日にコパ・リベルタドーレスの決勝第2戦を終えたばかりで、30時間の長旅でUAEに乗り込んで来たグレミオにとって、パチューカ戦は今年に入って実に78回目の公式戦。「時差と連戦の疲れもあって、難しい試合だった」とキャプテンのジェロメウは120分間の戦いを振り返ったが、前半は明らかにパチューカが主導権を握っていた。
本田の決定機を阻止したコルテースに地元記者が絶賛。
グレミオにとってこの日最大のピンチは前半アディショナルタイムのワンプレーだった。ゴール前に抜け出した本田がGKとの1対1になるかと思った瞬間、シュートブロックに入ったのがコルテースだ。
「またしても、コルテースがチームを救った」とブラジル人アナウンサーは絶叫したが、29分にもやはりクロスに絶妙な飛び出しを見せた本田に対して、コルテースは好守を披露した。
グレミオが本拠を置くポルトアレグレ市の『コレイオ・ド・ポヴォ』紙のラファエウ・ペルーゾ記者はこう話していた。
「チームが苦しい時間帯に2度いい守備で貢献した。僕だけでなく、ラジオ局の友人もコルテースがこの試合で最も良かった選手だと話している」