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ヴェルディ昇格へ内田達也が躍る。
J2でも“今野レベル”のプレー基準を。

posted2017/11/26 07:00

 
ヴェルディ昇格へ内田達也が躍る。J2でも“今野レベル”のプレー基準を。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

徳島戦後、チビッ子ファンとのハイタッチに応える内田。職人肌タイプとしてヴェルディに不可欠なピースとなっている。

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海江田哲朗

海江田哲朗Tetsuro Kaieda

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 90分の激闘の果てに、緑のシャツが躍る。

 11月19日、J2最終節。東京ヴェルディは徳島ヴォルティスを2-1で退け、5位でフィニッシュ。42試合に及ぶリーグ戦の最後を連勝で締めくくり、初のJ1昇格プレーオフ出場権を獲得した。

 徳島戦、セットプレーからこぼれ球を押し込み、決勝点を決めたのは内田達也だった。今季、ガンバ大阪から期限付き移籍で加入し、41試合2得点。ボールを奪い切る力があり、奪ったあとのビジョンもある。広い視野を確保し、正確な状況判断を可能にするのは、常に背筋をシャンと伸ばしてプレーする姿勢のよさだ。

 2009年、ナイジェリアで開催されたFIFA U-17ワールドカップに挑んだ日本代表。そこで内田とチームメイトだった高木善朗は「ディフェンスをしながら、味方の動きがちゃんと見えているんですよ。だから、マイボールにしたあと、攻撃への移行がスムーズ。僕が欲しいタイミングでパスを出してくれる」と言い、その加入を歓迎した。

「ウチはディフェンスの能力に長けた選手ですが、それだけではありません。ボールを持ったときもよいプレーができます」とロティーナ監督は評価。チームのへそにあたる中盤の底で一貫して起用してきた。

「相手の攻撃を受けながらも平常心でやれています」

 昨季、東京Vの成績は18位。周囲の下馬評を覆す躍進は、内田の存在なくして成し得なかったと言っても過言ではない。

 終盤戦は、相手に押し込まれても失点しない粘り強い守備で勝点を稼いだ。これまでの東京Vにはない、リアリスティックな戦い方だった。

「もっとボールを持って主導権を握りたいと思ってやってきましたけど、そこはチームとしてあきらめたんでね。相手の攻撃を受けながらも平常心でやれています」(内田)

【次ページ】 ロティーナ監督に叩き込まれた理論的+組織的守備。

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