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「サコが足元で受けるなら僕は裏へ」
岡崎慎司の現代表での仕事は何か。

posted2017/09/04 11:50

 
「サコが足元で受けるなら僕は裏へ」岡崎慎司の現代表での仕事は何か。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

大迫勇也のキープ力と岡崎慎司の裏へ抜ける力、2つの選択肢を持つことができれば、日本の戦術の幅は大きく広がる。

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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Asami Enomoto

 オーストラリア戦、ハリルホジッチ監督は2-0とリードした状況で岡崎慎司を呼び、入念な指示を送る。そして後半41分、大迫勇也に代わって岡崎をピッチへと送り出した。

 プレミアリーグ開幕から2戦連続でゴールを決めた岡崎のコンディションの良さ、好調ぶりは最前線に立つ彼の姿から伝わってくる。フットワークを止めずチャンスを待ったが、ほとんど活躍を見せることなく試合終了の笛が鳴った。

 W杯ロシア大会出場権を得た瞬間、歓喜に弾けるチームメイトたちのなかで、岡崎は少し淡々とその瞬間を迎えているように見えた。

「昨日の夜、ホテルに戻り、悔しさが増すようなことはありましたか?」

 試合翌日、9月1日の練習後にこう訊いた。その日、試合でベンチやベンチ外の他の選手たちが、出場権獲得は嬉しいけれど、ホテルの部屋で1人になるとふつふつと悔しさが湧きあがってきた、と語っていたからだ。

 しかし岡崎は「全然ないですね」とサラリと答えて続ける。

「今は、クラブでも代表でも開き直っているから。悔しい気持ちは勝手に出てくるもの。だけど、昨日は出なかったですね。(オーストラリア戦は)自分じゃない部分(理由)もわかるなぁって思うから。でも、チャンスはあると思っているので」

プレミアで決めたゴールが、心の支えになる。

 そんなふうに考えられるのは、レスターでゴールという結果を残しているから。だから、オーストラリア戦のピッチに立ったときも「やることが明確にわかっている。シンプルに迷いなく、流れに任せてプレーできた」と振り返る。それは「なにも考えずにプレーする」という岡崎が理想とする状態でもあった。

 2015年夏、マインツからレスターへ移籍した岡崎の胸中には、W杯ブラジル大会での自身に対する失望が残されていた。2013-2014シーズンにマインツで2桁ゴールをマークして迎えた同大会では、コロンビア戦で1ゴールを挙げたもののグループリーグ敗退。翌シーズンもブンデスリーガで2桁得点を記録したものの、「このままでは成長できないと考え、過去の実績をゼロにして挑戦したかった。たとえ試合に出られず、代表に呼ばれなくなってもいい」と新天地へ渡った。

【次ページ】 「岡崎はレスターではDFだ」という監督の発言は……。

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