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吉田麻也の機転と甲子園タオル回し。
プチ鹿島8月のスポーツ新聞時評。

posted2017/09/01 17:00

 
吉田麻也の機転と甲子園タオル回し。プチ鹿島8月のスポーツ新聞時評。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

オーストラリアのメディアに対して、見事な対応を見せた吉田麻也とW杯出場決定を喜ぶ仲間たち。吉田のメディア対応も、プレミア仕込みのノウハウ!?

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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Asami Enomoto

 その不穏な見出しは「運命の一戦」日本対オーストラリア戦の前日。

「ハリル解任のために負けたいの? 日本襲う 豪 怪問答」(日刊スポーツ・8月30日)

 一瞬「怪文書」にみえて菅義偉官房長官のプチ流行語を思い出したが、よく見ると「怪問答」だった。

 だったらなおさら気になる。「怪問答」って何?

 きっかけはオーストラリア唯一のJリーガー、横浜F・マリノスDFデゲネクの発言。

 オーストラリアの報道によれば、

「僕のチームとクラブには、オーストラリアの勝利を願っている人もいるようだ。全員が日本のシステムや日本のコーチングスタッフに同意しているわけじゃない」

 と話したという。

 報道では日本が勝てなかった場合、ハリルホジッチ監督が解任される可能性があることにも触れていた。コメントが独り歩きした可能性もあるというが、これでさっそく「張り切った」のがオーストラリアの報道陣。

《練習後の取材エリアにオーストラリアの報道陣がやって来た。英語が堪能なDF吉田が、この発言について「驚いたか?」と直撃された。返答に困った吉田は「??」と一瞬、首をかしげたが、「横浜からは何人選ばれてるの?」と直球の質問を変化球で返して、けむに巻き、笑いを巻き起こして去った。日本の守備の要は予想外の“攻撃”も完封。頼もしかった。》(日刊スポーツ・同)

 これが怪問答の正体であった。相手国メディアの意地悪をかわしたのだ。

日本メディアも対戦相手チームを意図的に攻撃すべき!?

 そういえば『深読みサッカー論』(山本昌邦・武智幸徳)という本の一節を思い出した。

「他国のジャーナリストを見ていると、記者会見などで、相手の選手や監督にストレスとかプレッシャーをかけるんですよね。日本もそこを考えていくべきだと思うんですよ」(山本昌邦)

「日本人は礼儀正しくて、取材相手をあまり怒らせちゃいけないと思うから遠慮するところもあるんですけど、いいんですよ、怒らせれば。国と国との総合力の戦いですから。ほかの国々はメディアの戦いも、それはもう熾烈ですよ。」(山本昌邦)

「そうか……メディアも巻き込んだ心理戦が裏で渦巻いているということですね。」(武智幸徳 )

 これらの部分を読んだとき、なるほどと思いつつ、日本は難しいだろうなぁと思った。

【次ページ】 国とメディアが一体となって相手国に圧力って……。

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