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吉田麻也の機転と甲子園タオル回し。
プチ鹿島8月のスポーツ新聞時評。 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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photograph byAsami Enomoto

posted2017/09/01 17:00

吉田麻也の機転と甲子園タオル回し。プチ鹿島8月のスポーツ新聞時評。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

オーストラリアのメディアに対して、見事な対応を見せた吉田麻也とW杯出場決定を喜ぶ仲間たち。吉田のメディア対応も、プレミア仕込みのノウハウ!?

国とメディアが一体となって相手国に圧力って……。

「国(チーム)」と「メディア」が一体となって相手国にプレッシャーをかけて戦うってできる?

 戦時中の報道を思い出しちゃう人だっているはず。

 なら、他国メディアの意地悪をいかにかわしていくか。ネタにしていくか――そう考えるとこの日の日刊スポーツのようにDF吉田のおとぼけ発言を「怪問答」と表現したり、「日本の守備の要は予想外の“攻撃”も完封。頼もしかった」くらいがやっぱり合っているのではないか。

 翌31日、埼玉スタジアムで日本はオーストラリアを破り、6大会連続6回目のW杯出場を決めた。

高校野球で問題視された「タオル回し」の応援スタイル。

 さて、8月のスポーツ新聞と言えば高校野球・夏の甲子園大会である。今年は広陵(広島)の中村奨成捕手のホームラン大会記録の更新で盛り上がったが、東京新聞に気になる記事があった。

「甲子園『タオル回し応援』NG 『勝敗に影響』本部が要請」(8月16日)。

 高野連などで作る大会本部が、タオルを回す応援の自粛を出場校に求めたという。プロ野球ではロッテや巨人のファンが行うあの応援スタイル。

 なぜ高校野球(甲子園)では自粛要請なのか。

 きっかけは昨夏の2回戦の東邦(愛知)-八戸学院光星(青森)戦。

《九回裏で4点差をつけられ、敗勢の東邦のアルプス席がタオルを回す応援を始めると、観客も持参していたタオルを一緒に振り始め、球場全体に広がった。すると、東邦は一挙5点を挙げ、逆転サヨナラ勝ち。試合後、八戸学院光星の投手は「全員が敵かと思った」と肩を落とした。》

 高野連の竹中雅彦事務局長は、この試合について「高校野球は教育の一環で、フェアプレーが基本。それなのに、タオル回しによって応援が一方に偏る異様な雰囲気が球場を支配し、勝敗に影響してしまった」と語る。

【次ページ】 自粛要請とはお堅い対応だなぁと最初は思ったが……。

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