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J1最下位の崖っぷちでも“攻めろ”。
大宮残留は伊藤彰新監督に託した!
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/06/07 11:00
大宮はこれまで何度も終盤戦で勝ち点を積み上げ、J1残留を成し遂げた実績がある。伊藤監督は攻めることでその再現を狙う。
「バルサよりアトレティコっぽいけど……」との声も。
中盤のアンカーポジションで起用されている長谷川アーリアジャスールは、「イメージとしてはバルサですかね」と切り出し、悪くない感触を明かす。中盤から前線のポジションをもれなくこなす28歳は、伊藤監督のもとで新境地を開くかもしれない。
「自分たちのリズムでゲームができている時間は、周りとの距離感が良くてボールにたくさんさわれる。僕自身の特徴である周りとのコンビネーションを発揮できると思います」
FWでもサイドアタッカーでもプレーできる瀬川祐輔は、「僕のプレースタイルは、バルサよりアトレティコ・マドリーっぽいんですが……」と遠慮がちな笑みを浮かべる。攻撃に推進力をもたらすこの23歳も、新監督のサッカーに意欲的に取り組んでいる。
「攻守の切り替えとハードワークは練習から求められていて、監督のやりたいサッカーがすんなりと入ってくる印象です。誰かのためにスペースを作る、誰かが作ったスペースを使うといったように、周りと連動したプレーがいまの自分には足りないと思っていて、そういう部分を要求されるのですごくタメになるし、2つ先、3つ先の局面を考えさせられるので、やり甲斐がありますね」
練習中のミニゲームでも「勝負に執着心を持て」。
伊藤監督が選手たちに求めるのは、システムへの適応だけではない。強いメンタリティにもこだわる。かつて新指揮官とともにプレーした経験を持つ33歳の金澤慎は、「現役当時から熱い人でした」と切り出す。
「練習中の小さなスペースのゲームでも、勝負に執着心を持てと言われます。戦うということに対しては、厳しく求められています」