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小林祐希は本当に“面白いヤツ”だ。
3時間半にわたって語った4つの思想。
posted2017/05/28 09:00
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
AFLO
5月中旬、オランダのシーズン終了直前、小林祐希に会いにヘーレンフェーンまで出かけた。
練習後に立ち話でコメントをもらえればそれでも良い。忙しければ、後日時間をくれないかと告げるだけでもよいと思っていた。
想像通り、その日はいつもと違う場所での練習だったこともあり、取材対応の時間をもらうことはできなかった。だが小林は「連絡します。取材窓口は俺なので」と言い、チームメイトの自家用車に同乗してクラブハウスへと帰って行った。
するとその日のうちに、インタビューが決まった。
インタビュアーと取材対象者が親しい場合、もしくは日本人がほぼいないリーグに所属している選手ならば、こういった流れはよくある。だが、日本代表にも選ばれるほどの選手の場合、なかなかこうはいかない。“面白いヤツ”という噂は本当なんだな、というのが、小林への率直な印象だった。
そのやり取りから約1週間後の晴れた午後。ヘーレンフェーンで一番人気だというカフェのテラス席でゆっくり時間を割いてくれた。
話は多岐にわたった。そこで4つのブロックに分けて、小林が話したことをお届けする。
<その1:取材対応やマネジメント>
――所属事務所があるのに、ご自身で取材日程などの設定をされていました。トップ選手では珍しい事では?
全部自分でやってますし、俺が決めます。取材に出るのも、受けるのも。金とか規模じゃなくて、人で選びます。
――こちらからすると、逆に怖いタイプです(苦笑)。
取材したいんだったら自分で来いよ、と。だから、いきなり(筆者が)あんなところ(練習場)にきたのは、いい印象でしたよ。もちろん電話で申し込まれて、日にちを決めて、会いに来てくれる方も、それはそれで嬉しいですけどね。
――そこには何か、ポリシーがある?
じゃあこちらから質問しますが……。人伝てに何か頼まれるのと、直接頼まれるのと、どっちがいいです? お金は後からついてくるかもしれませんが。人との繋がりはついてこないですからね。
――事務所にはどういうことをお任せしている?
弁護士、エージェント、マネジメントには“俺の行けないところに行ってほしい”と伝えています。例えば大企業との契約でオフィスに行くなどですね。本当は俺自身、実際に足を運ぶなどしたいんですよ。でも、ちゃんとしたプロセスはプロの方が踏めますからね。
――では、できる範囲は自分でということ?
マネジメントを通してとなると、取材が2、3週間延びちゃうことはありますよね。媒体に出す出さないにかかわらず、取材は受けます。もし掲載にいたらないならそれはそれと思って、もしコメントを使えるタイミングが来たら、使ってくださいって思っています。講演会や講義などに出たいときも自分で決めていますよ。