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年々得点が減り、失点は増える一方。
3年ぶり無冠のG大阪は何が問題か。

posted2016/12/28 11:30

 
年々得点が減り、失点は増える一方。3年ぶり無冠のG大阪は何が問題か。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

遠藤保仁は今季もリーグ戦のほぼ全てに先発している。今もガンバにとって、彼の使い方がチームの命運を左右することは変わっていない。

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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 2016年シーズン、ガンバ大阪は3年ぶりの無冠に終わってしまった。

 開幕前は、優勝候補だった。

 昨年、メンバーがほぼ残留し、さらにアデミウソン、藤本淳吾ら攻撃陣を獲得。パトリック頼みが相手チームに研究されていただけに彼らのプレーがフィットすれば攻撃のパターンとゴール数が確実に増えるだろうと思われた。

 しかし、ファーストステージはまったくエンジンがかからなかった。パトリックが不調、アデミウソンはフィットせず、序盤から低空飛行をつづけ、最後まで攻守が噛み合わないまま7勝7敗3分け、6位に終わった。

守るか攻めるかの判断がチーム内で割れていた。

「しっかり守るのか、攻めるのか、中途半端だった。そこでチームが一枚になりきれていなかった」

 優勝争いに絡めなかった要因を遠藤保仁は、そう分析した。

 2013年に長谷川健太が監督になり、従来のイケイケドンドンのサッカーではなく、堅守を軸としたサッカーにスタイルが変わったのだが、今年はその守備に綻びが見えた。そのため選手は、より守備を重視して失点を少なくするのか、それともリスクを負って攻め切るのか、その判断に迷うことになった。それが22得点20失点という数字にも表れている。

 加えて2008年以来2度目の優勝を狙ったACLでは、1試合も勝てずにグループリーグで敗退。アジア制覇を今シーズン最大の目標にしていただけにその喪失感は非常に大きく、チームの勢いを殺すことにつながった。

 セカンドステージ、調子が向上したというよりは、悪すぎたファーストステージから普通のガンバに戻ったというのが正しいだろう。

 ボランチがリオ五輪を戦った井手口陽介とベテランの今野泰幸にほぼ固定された。センターラインに軸ができたことでチームが安定し、アデミウソンもようやくフィットしてカウンターを中心に攻撃が機能するようになった。しかし、優勝を争う重要な試合で浦和レッズに敗れ、10勝3敗4分けで4位。ルヴァン杯も浦和にPK戦の末に敗れて、タイトルを逃した。

【次ページ】 優勝の目安となる得失点差も、年々悪化中。

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