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不慣れなお立ち台と、堂々たるプレー。
FC東京は室屋成の復帰を待っていた。

posted2016/07/13 07:00

 
不慣れなお立ち台と、堂々たるプレー。FC東京は室屋成の復帰を待っていた。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

スポーツ推薦で明治大学に入学しながら、休学も退学もせずにプロになった室屋成。彼が成功するかどうかは、モデルケースとしても大きな意味を持つ。

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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 プロになって初のヒーローインタビューだったにもかかわらず、ずいぶん落ち着いていて、堂々としているように見えた。今季、FC東京に加入した室屋成のことだ。

「とにかく泥臭く、絶対に勝点3を取ったるという気持ちで戦ってたんで、ホンマに勝点3を取れたことが、とにかくよかったです。個人としては全然満足してないんで、まだまだこれから自分の力で2連勝、3連勝と積み重ねていけたらエエなと思ってます」

 だが、どうやら平常心ではなかったようだ。試合後の取材エリアで指摘されるまで関西弁で話していたことに気がついていなかった。

「え、そうでした? 標準語で話そうと思っていたんですけど……」

 その瞬間、彼を囲んだ取材陣の輪が、ドッと沸いた。

 リオ五輪日本代表の右サイドバックを務める室屋が、1-0で勝利した7月9日のヴァンフォーレ甲府戦で待望のJ1デビューを飾った。

開幕から4カ月半、ようやくJ1のピッチに。

 明治大3年生(4月から4年生)にしてFC東京とプロ契約を結んだのは、リオ五輪アジア最終予選が終わったばかりの今年2月5日のことだった。ところが、チームに合流した直後の11日のトレーニング中に負傷してしまう。診察の結果、左足ジョーンズ骨折(第5中足骨疲労骨折)だったことが判明し、全治3カ月との診断が下された。

 一時はリオ五輪への出場が危ぶまれたが、懸命のリハビリの末、5月半ばにランニングを再開。6月12日にはFC東京U-23の一員としてJ3、藤枝MYFC戦の70分から途中出場して復帰した。さらに6月29日に行なわれたU-23南アフリカとの国際親善試合では負傷後初となる90分フル出場を果たし、7月9日、今季のJ1開幕から遅れること4カ月半、ついにJ1のピッチに、味の素スタジアムのピッチに立ったのだ。

「応援してもらえるのは初めてなので興奮しましたし、楽しいなと思いながら試合をしていましたね。このピッチに立てて、改めてチームの一員になれた気がします」

【次ページ】 マッチアップの相手に心理戦を仕掛ける室屋らしさ。

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