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ブルガリア戦7発、輝くボランチ柏木。
“ポスト遠藤”問題がついに解決か。

posted2016/06/04 12:30

 
ブルガリア戦7発、輝くボランチ柏木。“ポスト遠藤”問題がついに解決か。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

前半の3点に絡んだ柏木陽介。ボランチが攻撃の起点として機能した意味は大きい。

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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Takuya Sugiyama

 7-2。

 試合前、いったい誰がこんなスコアを予想しただろうか。

 ブルガリアには2013年5月30日の試合で0-2で負けており、トータルでも4敗1分けと決して相性がいい相手ではない。今回も接戦、もしくは苦戦さえも予想された。だが、蓋を開けてみれば日本の怒涛のゴールラッシュ。前半だけで4得点を挙げ、勝負を決めた。そのお膳立てをして、勝利に貢献したのがボランチの柏木陽介と長谷部誠だった。

「ブロックを作って守備から入ろう」

 ハリルホジッチ監督がスタートで出した指示は、しっかり守ってカウンターを狙うというものだった。だが、ブルガリアがまだ試合に入り切れていない様子を見て、日本は前線からプレッシャーをかけていった。その時、前線で攻撃的に動いたのが柏木だった。

何回も練習してきた柏木から岡崎へのクロス。

 前半4分、岡崎慎司に出した左足のクロスは素晴らしいパスだった。この時、香川真司からパスを受けた柏木は、香川や酒井宏樹にリターンパスを出すつもりだったという。しかし、香川と酒井の動きがかぶり、背後からも相手の気配を感じた。一方、クロスを入れた時、相手のラインがバラバラになっているのをスカウティングで知っていた。さらにボールを出せば岡崎がDFの裏に走り込むプレーは何回も練習をしてきた。

「あそこ(右サイド)のポジションでボールを持てたらオカちゃんが動き出してくれるのは分かっていた。そこにドンピシャのタイミングで出せたし、自分もいいボールを出せた。それでゴールに繋がったのは、すごくポジティブかなと思います」

 練習通りの先制点はブルガリアの出鼻を挫き、日本は試合の主導権を握った。

 柏木は、それ以降も縦横無尽にピッチを駆け抜け、攻撃に絡んでいった。

【次ページ】 4得点すべてにボランチが絡んだことの意味。

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