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日本の放映権ビジネスが新時代に。
発火点は放送局「以外」の買い手?

posted2016/03/31 10:30

 
日本の放映権ビジネスが新時代に。発火点は放送局「以外」の買い手?<Number Web> photograph by AFLO

ソフトバンクはバスケットボールB.LEAGUEのトップパートナーとなった。日本の放映権ビジネスの新時代は来るか。

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並木裕太

並木裕太Yuta Namiki

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AFLO

500円

(ソフトバンクが開始する、プロ野球・大相撲・なでしこリーグ・男子テニス・MLB・海外サッカー・B.LEAGUEの見放題サービスの月額料金)

 ソフトバンクは3月10日、スポーツ7ジャンル(プロ野球・大相撲・なでしこリーグ・男子テニス・MLB・海外サッカー・B.LEAGUE)の映像が見放題となるサービスを開始することを発表しました。

 ヤフーと共同で運営する「スポナビライブ」と銘打たれたこのサービスは、スマホやタブレットで試合のライブ中継を視聴できるほか、アーカイブ映像を見ることも可能です。特筆すべきはその料金で、ソフトバンクの携帯ユーザーは、わずか月額500円(税抜き・以下同)でサービスに加入することができます(他社携帯のユーザーは月額3000円)。

 これには海外サッカーのプレミアリーグとリーガエスパニョーラの全試合生中継も含まれていますが、例えばリーガエスパニョーラの中継をテレビで見るには月額2300円のWOWOWに加入する必要があることだけをとってみても、圧倒的な価格優位性があると言えます。

 こうした料金設定が可能なのは、第一にソフトバンクの携帯電話加入者数を増やすための誘因戦略という側面が強いからでしょう。仮に月額500円の料金で赤字が出るとしても、そこに携帯電話の契約を紐づけ、携帯料金からしっかりと利益が出せれば何の問題もありません。「スポナビライブ」は、携帯キャリア間の競争を勝ち抜くための差別化の目玉と位置づけられるのです。

放映権収入が伸びないのは、買い手が限られていたから。

 このように、本業の顧客を集めるための誘因材料としてスポーツの映像配信に着目する企業が登場したことは、試合を興行するスポーツ事業者側にとっては朗報だと言えます。

 プロスポーツにおいて放映権は、グッズ販売やスポンサーシップと並ぶ収入の柱の一つですが、国内においてはそれが伸び悩んでいるという現実があります。プロ野球の地上波放送が激減しているのは周知の通りですし、Jリーグの放映権収入もここ数年はほぼ横ばいという状況が続いています。

 なぜ放映権収入が伸びないのか。大きな理由は、これまでは放映権の買い手が国内に放送網を持つ放送局にほぼ限られていたことにあると思います。

【次ページ】 放送以外に収益化の方法を持つ売り先の登場。

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