Number ExBACK NUMBER
<動画公開!> 中村俊輔と五郎丸歩が明かす「世界基準のキック論」。
posted2016/02/17 12:50
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Tadashi Shirasawa
※2016年2月17日追記 動画を公開しました!
日本が誇る2人のキッカーの夢のセッションがNumber894号(日本ラグビー「再生」“エディー後”のジャパン)誌上にて実現した。
チャンピオンズリーグの舞台でマンチェスター・ユナイテッド相手に2本の伝説的なフリーキックを決め、Jリーグでも歴代最多の直接FK20得点をあげている中村俊輔。一方、ラグビーW杯で独自の“ルーティン”と美しい軌道のキックで日本だけでなく世界中の注目を集めた五郎丸歩。
競技の垣根を超えて明かされた本音からは、超一流だからこそ通じ合う世界基準のキックの極意が浮かび上がってきた。
日本が誇る2人のキッカーの夢のセッションがNumber894号(日本ラグビー「再生」“エディー後”のジャパン)誌上にて実現した。
チャンピオンズリーグの舞台でマンチェスター・ユナイテッド相手に2本の伝説的なフリーキックを決め、Jリーグでも歴代最多の直接FK20得点をあげている中村俊輔。一方、ラグビーW杯で独自の“ルーティン”と美しい軌道のキックで日本だけでなく世界中の注目を集めた五郎丸歩。
競技の垣根を超えて明かされた本音からは、超一流だからこそ通じ合う世界基準のキックの極意が浮かび上がってきた。
1月上旬の青空のもとで、めったに見られない光景を目の当たりにした。
芝生のグラウンドで楕円のボールを丁寧にセットし、40m先にそびえるラグビーのゴールを見据える中村俊輔。その数歩後ろには、真剣な眼差しをおくる五郎丸歩の姿がある。
1歩、2歩、3歩……慎重にバックステップを踏み、数秒の間をおいてから左足で放たれた楕円球は無回転に近い独特の軌道を描きながらポールの上部右隅を直撃した。
生まれて初めてラグビーボールを蹴った中村俊輔。
生まれて初めてラグビーボールを蹴ったという中村は、「難しいですね。後ろで見ていてくれた五郎丸さんに、きっとフォームが違うよって思われているんだろうなって」と笑った。
その後、五郎丸の“お手本”を観察しつつ、アドバイスを取り入れていった中村のキックは、次々にポールとポールの間をくぐり抜けてゆく。
「サッカーとラグビーではボールの形はもちろん、体重移動の仕方も違う。カーブをかけるサッカーの蹴り方に対して、ラグビーはゴールに向かっていかにまっすぐ飛ばしていくか、なんです。それでも俊輔さんは決めていたので、やっぱり凄いなって思いましたね」と、五郎丸もしきりに感心していた。
競技は違えど、いや競技が違うからこそ刺激やシンパシーを感じるのか――。
ボールを媒介にキック談義を交わした2人は、初対面とは思えないほど親交を深めていった。