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阪神タイガースは革命を起こせるか?
圧倒的カリスマ金本監督に託された願い。

posted2016/01/04 10:50

 
秋季キャンプで選手と共に汗を流す、阪神タイガースの金本第33代監督。

秋季キャンプで選手と共に汗を流す、阪神タイガースの金本第33代監督。

text by

鈴木忠平

鈴木忠平Tadahira Suzuki

PROFILE

photograph by

Nanae Suzuki

 2015年の反省と2016年の希望――。
 Number Web版“プロ野球・ゆく年くる年”企画は、全12球団の短期集中コラムシリーズです。年末年始にかけて、全12球団の2015年の振り返りと2016年の夢を、チームへの思い入れたっぷりの筆致でお伝えいたします!
 第11回目は金本知憲新監督の下でチーム一新を図っている、阪神タイガースです。

 これは限りなく現実を基にした、想像のストーリーです。

 あるところにタイガースという王国がありました。長い歴史と、格式を誇りますが、最近ではセ界統一がなかなか果たせません。オカダ将軍、マユミ将軍、ワダ将軍……。伝統国らしく、自国育ちの勇士にリーダーを任せてきましたが、オカダ将軍以来、ここ10年間は悲願を成し遂げていません。

 モットーは安心、安全。石橋はたたいても渡らない。安定王国を築いたものの、一番欲しいものが手に入らないというジレンマを抱えていました。

 王様は考えました。

「ここまで伝統の継承、継承でやってきた。ただ、違う言い方をすれば、つぎはぎの繰り返しだ。ここで1度、今あるものを壊すことが必要かもしれないな」

 そこで、かつての英雄カネモト様に、将軍の座についてもらうよう要請しました。他の国からやってきて、王国に黄金時代をもたらした人です。

 王様は言いました。

「国を変えてほしい。その上で3年後にセ界を統一してくれないか」

 カネモト将軍は答えたそうです。

「いえ、最初から勝ちにいきます。勝利を度外視した改革など、あり得ません」

信頼できる参謀たちをまず呼び戻した。

 将軍は何を変革したのでしょうか。

 まず、国の外にいた信頼の置ける参謀たちを呼び戻しました。さらに最も大切な守りを強化しました。自らの言葉で説得し、かつての英雄の1人、フジカワを呼び戻すと、ドラゴンズ王国からタカハシを獲得しました。ただし、不安の残る攻めについては異国からマット・ヘイグを獲得しただけ。計算できる兵士は百戦錬磨のトリタニ、フクドメ、ゴメスのみ。戦力的に目に見える変化は大きいとは言えません。

 では、変革とは一体、何でしょう。

【次ページ】「攻撃の補強はしない。チャンスだぞ!」

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