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ルーニーが“偉人”を抜く代表50点。
今季はFW専念で、クラブでも250点へ。

posted2015/09/12 10:40

 
ルーニーが“偉人”を抜く代表50点。今季はFW専念で、クラブでも250点へ。<Number Web> photograph by AFLO

イングランド代表では最年少得点記録も持つウェイン・ルーニー。オールド・トラッフォードにボビー・チャールトンらとともに銅像が建てられる日も近いか!?

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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 イングランド代表にPKが与えられると、迷わずにボールを脇に抱えてスイス代表ゴールを見つめたウェイン・ルーニー。チームの主将として絶大なプレッシャーを背負うPKではなかった。イングランドは一足先にハリー・ケインのゴールでリードを奪っていた。3日前のサンマリノ戦(6-0)でEURO2016予選突破も確定済みだった。

 しかしルーニー個人としては、予選グループE第8節の舞台となったウェンブリー・スタジアムに駆けつけた7万人を超す観衆と、テレビ中継を見守る全国民の期待を一身に背負うPKだった。本人も、「今まで一番ナーバスになった」と試合後に認めている。ネットが揺れれば代表での通算得点数は「50」。イングランドが母国開催の1966年W杯で優勝を果たした当時の英雄、サー・ボビー・チャールトンが持っていた代表での歴代最高得点記録を塗り替えることになるPKだったのだ。

 ボールを静かにPKスポットに置いたルーニーは、冷静かつ強烈な一蹴りをゴール上隅に決めた。スタジアムから沸き起こった歓声は、次期代表エースの期待を背負うケインが先制点を決めた際のボリュームを上回るものだった。両軍無得点だった前半にしても、グループ2位を狙うスイスに対するアウェイ陣営に比べて静かだったホームの観衆からは、ルーニーにパスが出ればどよめきと大歓声が起こっていた。

 そのルーニーが待望の得点を上げ、チームとしては及第点程度の出来だった2015年9月8日のスイス戦(2-0)は、周囲の英国人記者たちが興奮気味に口走っていたように「歴史的な一戦」としてイングランドのサッカー史に刻まれた。実に45年ぶりに新たな歴代得点王が母国に誕生した試合として。

監督からは「ROONEY 50」のユニフォームが。

 歴史的な「偉業」を達成した当人は、試合後のロッカールームで「記念スピーチ」を披露したことがイングランドFA(協会)の公式サイトで紹介されている。チームメイトたちに「ルーニー」コールと拍手で迎えられた主役は、ロイ・ホジソン監督から「ROONEY 50」とプリントされた記念のユニフォームを手渡された後、「スピーチ!」と叫んだ指揮官にせがまれて、喜びと恥ずかしさが入り交じった表情で手短に語っている。

 チームの監督や仲間を含む代表関係者への感謝を述べた後、「ハリー(・ケイン)、ロス(・バークリー)、ラヒーム(・スターリング)といった若手には自分を追い抜いてもらいたい」というくだりは、記録更新のみならず、代表での責任を果たしたかのような達成感さえ漂わせていた。

【次ページ】 記録を更新されたチャールトンも祝福。

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