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黒田博樹の13人完全投球を検証。
“宝刀”ツーシームに次ぐ主力は? 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byTadashi Shirasawa

posted2015/03/09 11:20

黒田博樹の13人完全投球を検証。“宝刀”ツーシームに次ぐ主力は?<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

前売り券2万枚があっという間に完売したという黒田のOP戦初登板。ヤクルトの選手からは「ボールかと思ったらド真ん中でした」「無駄な球が全くなかった」と驚きのコメントが。

 チームに初めて合流した2月18日のこと。沖縄のキャンプ地には約1000人のファン、200人以上もの報道陣が集結していた。

 お目当ては言うまでもなく、8年ぶりに古巣復帰を果たした広島の黒田博樹である。

 約20億円とも言われる巨額のオファーを蹴ってまで貫いたカープ愛。その、男気溢れる選手に注目が集まるのも無理はない。

 付け加えれば、メジャーで残した実績が「黒田狂騒曲」を一層過熱させたとも言える。

 7年間で79勝。

 名門・ヤンキースでも主戦を務めた世界トップクラスの投手の一挙手一投足に目が向けられる。ブルペンでの投げ込み、フリー打撃、シート打撃……。黒田がマウンドに上がり、淡々と打者を打ち取る姿を目の当たりにしては、周囲は「物が違う」と嘆息を漏らす。

 黒田なら、やってくれるに違いない――。

 実戦初登板となった3月8日のヤクルトとのオープン戦。メジャーから凱旋を果たした男が、その実力を証明してみせた。

「結果的にはよかった」と全く浮つかない黒田。

 初回をわずか5球で終わらせると、2回も9球、3回も11球で締めた。当初の予定である3回、50~60球を大幅に下回るペースの投球だったため4回もマウンドに上がり、結局は5回途中まで39球を投げきるという、抜群の安定感を披露した。

 4回1/3を投げパーフェクト。相手が山田哲人や雄平など主力を欠いたラインナップとはいっても、黒田のパフォーマンスは圧巻のひと言に尽きた。

「結果的によかったと思う」

 しかし、当の黒田は謙虚に凱旋登板を振り返る。

 これから長いペナントレースを投げ抜くことを考えれば、いくらこの試合で想像以上の投球を見せたからといっても、それが終始続くわけではない。KOされる日だってきっとあるだろう。

 それでも黒田は、シーズンが終わってみれば周囲が望むだけの成績を残してくれる。そう断言できるだけの調整を、沖縄キャンプから続けているのも事実なのだ。

【次ページ】 淡々と予定を消化しながら、やる時はやる男。

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