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バファローズ“最後の男”坂口智隆のサバイバル宣言。
~近鉄戦士が醸し出す野生の本能~ 

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/03/08 10:00

バファローズ“最後の男”坂口智隆のサバイバル宣言。~近鉄戦士が醸し出す野生の本能~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

今年はオフも取らずに「山にこもって」練習を積んできたという坂口。愛称は「グッチ」。

 バファローズ、宮崎初上陸。そんなキャッチフレーズが飛び交う、宮崎の清武町。しかし正直、違和感は否めなかった。なぜなら、バファローズは宮崎へ初上陸したわけではないからだ。かつての近鉄バファローズは、ずっと宮崎の日向市でキャンプを行なっていた。

 同じような違和感を抱いてはいないかと、ついにオリックスの支配下選手でたった一人となった“近鉄を知る男”バファローズの坂口智隆に訊いてみた。

「いや、別に違和感はないかな(苦笑)。僕は近鉄にいた期間が短かった(2シーズン)ので思い入れは浅いのかもしれませんけど、でも、近鉄ファンが熱かったことはよく覚えてます。そういう近鉄ファンの想いを僕が背負わせてもらっているのだとしたら、それは嬉しいですね」

 2002年、当時の近鉄からドラフト1位で指名されながら、その後の球団合併に伴って坂口はオリックスの選手となった。2008年からゴールデン・グラブ賞を4年連続で獲得、2011年には最多安打のタイトルも獲得するなど、パを代表する外野手として名を馳せた。

3年前の右肩脱臼からの復活を目指して、“野人”に。

 しかし3年前、ダイビングキャッチをした際、右肩を脱臼。回復後のウエイトトレーニングから望んだ効果が得られず、右肩が思うように動かなくなってしまった。昨シーズン、国内FA権を取得したものの、宣言せずに残留を決めた坂口は、昨年末から新たなトレーニングを取り入れて復活を期している。後ろ足を開いて跳ぶウサギ、後ろ足を閉じて跳ぶカエル、四つん這いになって歩くワニ、四つ足で走るクマ……この動物もどきの四足歩行を、スピーディに繰り返す。坂口も「まるで“野人”です」と笑う。

 体幹部を鍛えて安定させても、肩甲骨と股関節がスムースに動かなければ、打つこと、投げることにつながらない。なりふり構わないターザンの如き鍛錬は、感覚的に野球をやってきた坂口がようやく辿り着いた、現時点での答えなのだ。

「今年に関しては、とにかく目の色を変えてやりたいと思ってます」

 大型補強を敢行した今シーズンのバファローズで、坂口が外野のレギュラーポジションを確保するのは容易なことではないだろう。それでもバファローズ最後の近鉄戦士は、飢えた“野人”となって、厳しいサバイバルに臨んでいる。

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