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イチローがレギュラーに返り咲き!?
監督好みの「選球」で四球量産中。

posted2014/06/30 10:30

 
イチローがレギュラーに返り咲き!?監督好みの「選球」で四球量産中。<Number Web> photograph by Getty Images

かつては、安打は多いが四球が少なくて、高い打率の割に出塁率が伸びないことも多かったが、「選球」というスタイルを手に入れたイチローを、監督は重宝している。

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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 私は今季の開幕時点で、「この陣容ではヤンキースのポストシーズン進出は厳しい」と発言した。内野に不安あり、と見ていたからだ。

 77試合を消化した時点で、ヤンキースは40勝37敗と勝ち越している。

 天晴れ、だ。

 内野はなんとか形になっているし(それでも二塁の補強に動くかも)、先発のサバシア、ノバ、ピネダの3投手が故障者リスト入りしている状況では大健闘と言っていい。ジラルディ監督は、昨季に引き続き、魔法のようなマネジメントをしていると思う。

 ポストシーズン進出も十分に狙える位置につけている。地区首位のブルージェイズとはわずか3ゲーム差(6月26日時点)、ワイルドカードも1ゲーム差だ。

 もしもひとりで11勝をあげている田中将大と、淡々とローテーションを守っている黒田博樹(5勝5敗)のふたりがいなかったら……と思うと、ヤンキース・ファンはゾッとするだろう。

ヤンキースで5人いるレギュラー級の外野手。

 それでも、ヤンキースには解決すべき課題が多い。7月のトレード期限に向けて、とにかく先発の獲得に動くだろうし、二塁、そして外野陣の整備を行なうのではないかと、私は見ている。

 ヤンキースには5人の外野手がいる。

 ブレット・ガードナー。

 ジャコビー・エルズベリー。

 カルロス・ベルトラン。

 アルフォンソ・ソリアーノ。

 そして、イチロー。

 現在はガードナーを1番に固定し、エルズベリーを打線の核として3番に据えている。

 残りのベルトラン、ソリアーノ、イチローのうちふたりを右翼、指名打者に起用し、残るひとりがベンチを温めている。

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