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引退から2年。ゴジラがグラウンドに戻る日。
~日米球界が待つ「指導者・松井」~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2014/07/03 10:00

引退から2年。ゴジラがグラウンドに戻る日。~日米球界が待つ「指導者・松井」~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

OB戦には5番DHで出場し、2打数無安打で打点1。4回からはマウンドにも上がった。

 背番号「55」のユニホーム姿がダッグアウトから姿を見せると、ヤンキースタジアムの声援が、一段と大きくなった。6月22日。ヤンキースが主催する毎年恒例のOB戦「オールド・タイマーズ・デー」に、松井秀喜が初めて参加した。満員のファンの前で、レジー・ジャクソン、デビッド・ウェルズら歴代の名選手と一緒にプレーした松井は、試合後、気持ち良さそうに汗を拭った。

「戦いに来ているわけじゃないし、(現役時代とは)全然違います。でも、声援はいつでも嬉しいですね」

 2012年の現役引退後は、自宅のあるニューヨークで「リラックスした毎日」(松井)を送っている。昨年、待望の第一子が誕生したこともあり、家族中心の穏やかな日々を楽しんでいるという。

 その一方で、指導者として彼の現場復帰を待ち望む声は今も多い。今年2月には古巣巨人からの要請を受け、宮崎キャンプで臨時コーチとして後輩を指導。3月には、ヤンキースのインストラクターとしてタンパでのキャンプ中に打撃投手などを務め、注目を集めた。今後は、不定期ながらヤンキースの1Aスタテンアイランドで練習サポートも予定されるなど、引退から2シーズンとなる今年は、グラウンドに足を踏み入れる機会が少しずつ増え始めた。

“後輩”の田中に「感じるままにやっていけば」と助言。

 現時点で、日米両球界ともに招聘の具体案は表面化していない。ただ、松井自身、今も自宅で素振りを続け、体調管理は怠っていない。ユニホームに袖を通すと、「やはり自分は野球人だという思いになる」と話すなど、その情熱は現役時代と変わっていない。デビュー以来、好成績を残しているヤンキース田中将大にも注目しており、「数字が示す通り、何も言えないぐらいの活躍。感じるままにやっていけば、何も問題ないと思います」と、先輩としての助言を送る。

 引退直後、松井は、自分の経験を後進に伝えることを「責任」と言い、さらに「使命」と表現した。日本とメジャー球界の両面を知り尽くし、両国民から愛される存在だけに、ファンからの期待の大きさも計り知れない。

 今は、機が熟すのを待つ時期――。

 国民的スターの松井が、充電を終え、グラウンドに戻ってくる日は、着実に近付いている。

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松井秀喜
ニューヨーク・ヤンキース
読売ジャイアンツ

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