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“プロ注”は少ないが熱戦多し。
選抜で気を吐く古豪・強豪校。 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/03/27 11:30

“プロ注”は少ないが熱戦多し。選抜で気を吐く古豪・強豪校。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

3月24日、選抜第4日・1回戦の智弁和歌山対明徳義塾戦は、延長15回裏に暴投サヨナラという劇的な幕切れ。勝ち上がった明徳義塾は、29日に関東第一と2回戦を戦う予定だ。

 甲子園球場で行なわれている第86回選抜大会はスカウトが獲得をめざす“プロ注”こそ少ないが、地味な大会という感じがしない。それは、春・夏の甲子園大会で優勝したことのある古豪・強豪が頑張っているためだ。

駒大苫小牧(選手権=2004、2005年優勝)
池田(選抜=1983、1986年優勝、選手権=1982年優勝)
沖縄尚学(選抜=1999、2008年優勝)
明徳義塾(選手権=2002年優勝)
龍谷大平安(選手権=1938、1951、1956年優勝)

 駒大苫小牧は初戦で長崎・創成館を3-0の接戦で退けた。参加校中、平均盗塁数が2番目に多いチームらしく3回裏に3盗塁を成功させて2点を奪い勝負を決めたが、とくに見応えがあったのは1番伊藤優希(3年・中堅手)の俊足。先制となるタイムリーを放つと二盗、三盗を決め相手バッテリーを揺さぶり、2死後の3連続四球の呼び水となった。

田中将大らを擁した'04、'05年のチームとは全く違う。

 '04、'05年の夏の甲子園を連覇したチームには、田中将大(投手・ヤンキース)をはじめ、林裕也(内野手・東芝)、本間篤史(外野手・JR北海道)という“超高校級”の球児がいたが、今年のチームは伊藤優以外、プロ注と言われる選手はいない。

 しかし、連覇のときにはなかった俊足で相手守備陣にプレッシャーをかける現代的なプレースタイルを身につけ、私が打者走者の全力疾走の基準とする「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12.3秒未満」をクリアしたのは創成館の3人3回に対して4人6回、盗塁数でも3対1と上回った。優勝候補の一角に躍り出たと言ってもいいと思う。

 池田も投打の主軸、水野雄仁、江上光治を擁して黄金時代を築いたチームにくらべ小粒になった。上背が170cmに満たない選手がメンバー18人中9人と半数を占め、170cmちょうどの選手が3人いる。文字通りの小兵軍団で、強打、強打の波状攻撃で相手チームを圧倒した水野たちのチームとは迫力でだいぶ劣る。

【次ページ】 ファンもメディアも興奮した、池田の復活。

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