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'14年全豪から加速する、
新旧世代交代の行方。
~錦織らが狙う“BIG4越え”~ 

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秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

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photograph byHiromasa Mano

posted2013/12/26 06:00

'14年全豪から加速する、新旧世代交代の行方。~錦織らが狙う“BIG4越え”~<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

2013年ウィンブルドンではジョコビッチと死闘を演じたデルポトロ。

 ここ数年、ツアーの「明日」を語る議論がどうにも盛り上がらなかった。男子はラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチらBIG4が、女子は「1強」のセリーナ・ウィリアムズが君臨。頭を押さえつけられ、逸材とされる若手が芽を出せずにいたからだ。

 一方で、35歳のトミー・ハースが2大会に優勝するなど2013年の男子はベテランの頑張りが目立った。年間65大会のうち、21歳以下の優勝はわずか1大会、逆に30代選手の優勝が16回もあった。なぜベテランが強いのか。ナダルは専門誌『スマッシュ』に載ったインタビューで「テニスは円熟と経験がものを言う」と話し、それに加えて最新のスポーツ科学が体力面でベテランを「手助け」するとしている。

デルポトロ、ディミトロフら20~25歳の世代が躍進。

 しかし、勢力図が変動しているのも事実。当時20歳のバーナード・トミック、22歳のグリゴル・ディミトロフと期待の若手が'13年にツアー初優勝。'13年末に24歳の錦織圭も世界ランク自己最高の11位に躍進、一つ年下のミロシュ・ラオニッチも初のトップ10入りを果たした。世界5位の25歳、フアンマルティン・デルポトロを筆頭に、'14年には20代前半の選手たちもギアを1段上げ、ベテラン勢を追い落としにかかるだろう。

 メッシを抑えてアルゼンチンの'13年のスポーツマン・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのがデルポトロ。楽天オープンでは「歴史に残る4強と同時代にプレーできるのは光栄」と控えめだったが、この年末にはオーストラリアの新聞に「体調が万全で、自信を持ってプレーできれば、僕は上位選手の脅威となるはず」と下克上をねらう気概を披露している。

 ディミトロフはマリア・シャラポワの新しいボーイフレンドと報じられ、知名度を上げた。肝心のテニスのほうもひと皮むけた。才能に恵まれていることと打球フォームが似ていることから「ベビー・フェデラー」とも呼ばれるが、そろそろ余計な冠を脱ぎ捨て、一本立ちしたい。

 次の主役候補の何人かが、この半年ほどの間に新たな参謀を得ているのが興味深い。錦織はマイケル・チャン、ラオニッチはイワン・リュビチッチと、ともに元トップ10選手をコーチに招いた。ディミトロフも、ヒューイットやツォンガを見てきた名伯楽ロジャー・ラシードコーチを迎えた。足りなかった何かを補い、BIG4追撃態勢を整えようというところだろう。

【次ページ】 女子のホープは20歳のアメリカ人、スティーブンス。

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