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シャラポワ2世の呼び声、
ブシャールが日本で開花。
~19歳が背負う女子テニスの未来~ 

text by

秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

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photograph byHiromasa Mano

posted2013/11/04 08:00

シャラポワ2世の呼び声、ブシャールが日本で開花。~19歳が背負う女子テニスの未来~<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

HPオープン決勝でブシャールは第1セットを奪い、第2セットもデッドヒートを演じた。

 10月に大阪で開催されたHPオープンでカナダの19歳、ウージニー・ブシャールがブレークした。ツアーレベルでは初の決勝進出。サマンサ・ストーサー(豪州)に敗れて優勝は逃したが、昨年のウィンブルドンジュニアを制したホープがいよいよ本格化の気配だ。

 昨年まではジュニアとツアー下部のサーキットが中心で、今年1月の全豪の頃は世界ランク145位だった。ツアー本格参戦の今年、じわじわと力をつけ、このアジアシリーズで一気に伸びた。HPオープンより格の高い東レ・パンパシフィック(東京)で8強に入り、2週後の大阪で、つぼみが開花。10月21日付けのランキングでは、四大大会でシードがもらえる32位につけている。

 シーズンも終盤で疲れもたまる時期だが、アジアシリーズは彼女のような若くて元気な選手にはランキングを上げる好機とも言える。うまくチャンスを生かしたと言っていいだろう。

 ウェア契約を結ぶナイキは「シャラポワ2世」として売り出したい様子だ。確かに二人が並んだ写真は姉妹に見えなくもない。ブシャールは「グランドスラムで4度も優勝している偉大なチャンピオンと比べられるのは名誉なこと。でも、プレースタイルも性格も違います。私は私として認められるようになりたい」と、そつなくコメントしている。

シャラポワと通じる端麗な容姿と「前のめり」感。

 確かに機を見てポジションを上げ、ゴリゴリ攻める速攻タイプのテニスは、シャラポワとは似て非なるもの。「性格も違う」と本人は言うが、負けず嫌いでハングリーなところはよく似ているのではないか。端麗な容姿に似合わぬ「前のめり」感がこの二人にはある。

 東レPPOでは、元世界ランク1位のエレナ・ヤンコビッチ(セルビア)に加え、当面のライバル、20歳のスローン・スティーブンス(米国、当時13位)にも勝っている。全豪でセリーナ・ウィリアムズ(米国)を破ったスティーブンスも、いずれは四大大会の優勝にからむ選手と見られている。東京・有明の観客は次代の女王候補同士の対決を見たことになる。

 大阪・靱の観客は、のちのちブシャールを「大阪が送り出した」と自慢するかもしれない。そういえばシャラポワもツアー初優勝は日本、有明のジャパンオープンだった。

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