「日本と似たようなタイプだよね」
遠藤保仁は、パラグアイをそう評した。
似たようなタイプと評したのは、いくつかの共通点があるからだ。
まず、絶対的なエースがいない。
パラグアイには、カメルーンのエトー、オランダのスナイデル、デンマークのベントナーなど、そういうエース的な存在の選手がいない。日本もエース不在だ。
そして、ともに堅守が持味のチームである。パラグアイは、グループリーグF組3戦での失点が1と非常に少なく、同組の守備が十八番のイタリアをも凌ぐ堅守を見せた。南米特有の粘り強い、ハードな守備が持味だ。一方、日本もグループリーグは失点2で、1点はPKである。崩されての失点はなく、守備の強さは、日本の心の拠り所になっている。
ハードワークをしていて非常にハングリーなパラグアイ。
「でも、似ているからこそ、ややこしいんだよ。突出した選手がいない分、みんなで戦おうというスタイルだからね、パラグアイは。ビデオを見ると、相当みんな頑張っている。ガンガン追い掛けてくるし、ハードワークするからね。しかもめちゃくちゃハングリーでしょ。そういう気持ちのあるチームは、強いよ。グループリーグで敗退したフランスとかイタリアは、気持ちがまったく入っていなかったからね。そういう意味じゃ、ビッグネームはいないけど、まとまっている分、一番面倒な相手かもしれない」
遠藤は、厳しい表情で、そう言った。
遠藤は一体感のあるこのチームを非常に警戒しているが、戦う上で面倒なのは、中盤のプレッシャーの厳しさだろう。オランダもデンマークも中盤のプレッシャーは、予想したほどではなかった。
「スペースがけっこうあって、自由にやれた」という。
激しく当たってくるパラグアイの組織的守備は要注意。
むしろ、日本は組織的な守備が体系化できていなかったカメルーンの個人の当たりの激しいディフェンスに手を焼いた。パラグアイのようにハードにガチガチと激しく当たられるディフェンスは、苦手なタイプだ。
「ビデオを見た限りでは、けっこう中盤のプレッシャーが厳しいし、組織的にしっかり守っている。イタリアは、その網に引っ掛かって引き分けたからね。その厳しい網を掻い潜って、いかにパスを繋いで、ボールを前に運んでいけるか。それが、パラグアイ戦の最大のテーマになる」
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