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混迷の度合いを深めて
突入する欧州ラウンド。
~今宮純のF1序盤戦総括~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2010/05/06 06:00

混迷の度合いを深めて突入する欧州ラウンド。~今宮純のF1序盤戦総括~<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

メルセデスGPのピットクルー。チームとの連携の強化がシューマッハーの今後の課題だ

 4戦でフェラーリ、レッドブル、マクラーレンの3チームが次々に1-2フィニッシュを決めるという、近年まれに見る伯仲した展開だ。

 決勝前に春雨が落ちてきた第4戦中国GPは、ハーフウェットコンディションで進んだ。ドライかインターミディエイト(小雨用)かのタイヤ選択が非常に難しく、実にのべ67回ものピットインが行なわれた。コース上でも抜きつ抜かれつが繰り返されたが、予選5位のJ・バトンが序盤をドライで乗り切り、中盤と終盤をインターミディエイトでつなぐ作戦で逆転。2勝目を挙げてポイントリーダーに躍り出た。移籍1年目ながらチームとのコミュニケーションは円滑で、クールな判断力が光り、在籍4年目のL・ハミルトンにはやや焦りの色が見える。

 ここまでPPウィンがまったくない展開も異例だ。3戦で最速PPを奪いながらすべて逆転されているレッドブルのS・ベッテルは、チームの信頼性の問題や雨の混乱などによって彼自身の持つスピードが結果に結びつかず、ランキング5位にとどまっている。ストレスの溜まる状況をどう切り開いていくか、若いチームと若いベッテルは追う立場で5月のヨーロッパラウンドに臨む。

シューマッハー不振の原因はエンジニアとの連携か?

 首位マクラーレンを追うフェラーリが開幕戦での1-2のあとに得点を伸ばせなかった原因は、エンジントラブルにある。それもF・アロンソばかりに起きていて、すでに2基が壊れ、“年間8基制限ルール”を考えると、今後6基でやりくりしなければならない。中国GPのフライングもこうした心理的なプレッシャーから出たミスか。しかし、ペナルティから挽回しての4位はさすが勝負師であり、F・マッサを上回るスピードを示した。

 N・ロズベルグの2度の3位がベストのメルセデスGPは、復活したM・シューマッハーが結果を残せず、本国ドイツでも不調が話題となりつつある。4戦を見るに、マシンセッティングに悩みを抱え、担当エンジニアとの連携がうまくいっていない。マシンのアップデート計画もさることながら、鍵を握るスタッフとの“共同作業”をどうするか、R・ブラウン代表の手腕が注目される。

 仕切り直しとなる第5戦スペインGP以降もこの展開が続くのか、どこかが抜け出すのか、予断を許さない情勢だ。

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