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フェデラー現役続行明言。
限界説はね退け好調続く。
~「BIG4」のバランスを変えるか?~ 

text by

秋山英宏

秋山英宏Hidehiro Akiyama

PROFILE

photograph byHiromasa Mano

posted2012/04/02 06:00

今季全豪で相性の悪いナダルと接戦を演じ、持ち味の攻撃的なテニスを見せたフェデラー。

今季全豪で相性の悪いナダルと接戦を演じ、持ち味の攻撃的なテニスを見せたフェデラー。

 この2月以降、ロッテルダム、ドバイと、出場した2大会に連続優勝。ロジャー・フェデラーが好調だ。

 昨季は2002年以来の四大大会無冠に終わったが、終盤戦で驚異的な巻き返しを見せた。11月にはバーゼルの決勝で錦織圭を一蹴すると、翌週のパリも優勝。さらに、上位8選手だけが出場できるツアー最終戦も制した。年が改まっても勢いは衰えていない。全豪は準決勝でラファエル・ナダルに惜敗したが、ドバイの決勝では「BIG4」の一角、6勝8敗と苦手にしていたアンディ・マリーに快勝し、通算72個目の栄冠を手にした。

「大会ごとに調子が上がっている。この先も楽しみだよ。もう何カ月も、そして今現在も、いいプレーができているからね」と30歳のベテランはご機嫌だ。

 昨年の全米では、勝利をほぼ手中に収めながら、ノバク・ジョコビッチに大逆転を許した。四大大会で史上最多16度の優勝を誇る王者もいささか影が薄くなり、年齢的な限界もささやかれるようになった。しかし、その全米以降、35戦して33勝。黒星の一つが全豪のナダル戦だが、これも接戦で、フェデラーの気力体力の充実が目立った。西の方角に少し傾いたとはいえ、太陽はまだ強く輝いている。

ジョコビッチの一人勝ちの現状にくさびを打ち込むことはできるか。

 数年前から「ロンドン五輪までは引退しない」と発言してきたフェデラーだが、最近、「ロンドンを最後にやめるとは言っていないよ」と、改めて五輪後の現役続行を明言した。

「自分の体が引退すべき時期を教えてくれるだろう。いつやめるかというのはまだ決めていないし、考えたこともない。次の1年のことしか考えてこなかったからね。実際、(4年後の)リオ五輪まで現役を続けたいくらいだよ」

 確かに体の切れやスタミナは衰えを見せていない。ジョコビッチやナダルを倒し、もう一度、四大大会で優勝するまではやめられない、というところだろう。

 四大大会では、このところジョコビッチとナダルの決勝が3大会続き、いずれも優勝はジョコビッチ。BIG4と言われるが、現実はジョコビッチの一人勝ちだ。'10年の全豪を最後に四大大会優勝から遠ざかっているフェデラーがそこにくさびを打ち込めば、4強のパワーバランスが変わり、男子テニスは一層スリリングになるのだが。

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