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“松田魂”を受け継ぐ栗原勇蔵。
代表レギュラー奪取に懸ける決意。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byToshiya Kondo

posted2012/01/25 10:31

“松田魂”を受け継ぐ栗原勇蔵。代表レギュラー奪取に懸ける決意。<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

松田直樹メモリアルゲームでプレーする栗原勇蔵(写真左)。マリノスではこれまで、井原正巳、小村徳男、松田直樹、中澤佑二と日本を代表するCBを輩出してきた。栗原は、その名誉ある系譜に名を連ねることができるか?

 雨のち晴れ。

 1月22日、日産スタジアム。昨年8月、急性心筋梗塞で亡くなった松田直樹選手の追悼試合が開催され、中村俊輔、川口能活、城彰二ら横浜F・マリノスの現役OB混成チームに、松本山雅、そして中田英寿、中山雅史ら2002年の日韓W杯メンバー、元日本代表を中心にした「直樹フレンズ」と豪華メンバーが一堂に会した。

 松本山雅はゴールが決まると背番号3が刻印されたリストバンドを掲げ、マリノスは松田の代名詞であるヘアバンドを身につけて天に向かって三本指を突き上げる。繰り返される「直樹コール」。4万人も集まったスタンドは笑いと拍手に包まれ、天国の松田直樹も笑みを返すように、空はみるみるうちに明るくなっていった。

 選手それぞれにあった松田への想い。カズもヒデも、川口も中村も……。遊びの色が強いはずのゲームなのに、球際では自然とガツガツとぶつかり合っていた。激しいプレーを身上とする松田の香りがあちこちに漂っていたのも、各々が松田を感じながらプレーしたからに違いなかった。

松田の背中を追い続けた、マリノスの「背番号30」。

 そのなかの一人に、マリノスの「背番号30」がいた。松田の薫陶を受けてきた栗原勇蔵は若手時代につけた番号を背負い、日本代表の先輩たちに容赦なく体をぶつけていた。

「凄いメンバーと一緒にゲームをやれて楽しかったし、なんかこう、ワクワクできたというか。これだけのメンツと、これだけのサポーターを集めてしまうマツさんは、やっぱりスゲエなってあらためて思った」

 栗原は松田の背中をずっと追ってきた。

 2002年にユースからトップに昇格したとき、日韓W杯メンバーの中心的存在であった松田は栗原にとって燦然と輝く存在だった。

「マツさんはトータルに優れたディフェンダー。スピード、パワー、うまさとか全部高いレベルにあるなかで、一番の凄さは読みと統率力だと思う。将棋みたいに二手、三手先を読んで周りを動かすことができるから」

 練習や試合で松田の守備感覚を学び、教わり、栗原は2年目から出場機会を得るようになった。松田も「スピード、ジャンプ、パワーと勇蔵の身体能力は半端ない。アイツから学ぶことも多い」とライバルとして認めるようになっていた。

【次ページ】 試合前の松田に強烈な張り手で気合いを注入。

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