Number Do MoreBACK NUMBER
<私とカラダづくり> 遠藤保仁 「30代で伸びるヤット式“ゆるトレ”」
text by
近藤篤Atsushi Kondo
photograph byAtsushi Kondo
posted2011/12/22 06:00
そこで雑誌Number Do「理想のカラダのつくりかた。」では、
100人のトレーニングを大公開。ウェブではサッカー日本代表・
遠藤保仁選手のカラダづくりを特別公開します。
遠藤保仁、日本代表における不動のボランチ。所属するガンバ大阪においても日本代表においても、最も重要な選手であり、彼の代わりになる選手はいない。愛称はヤット。
サッカー選手といえば、有名ブランドの下着の広告に登場するような美しい肉体と厳しいトレーニングをイメージするが、ヤットはちょっと異なる。というか、かなり特殊だ。
――ゆるいカラダは健在ですか?
「ゆるいですよ。ゆるいけど、代表の中盤の中で上半身の筋力は平均値よりぜんぜん上です、最近もらったデータによると」
――カラダを鍛えることについて真剣に意識するようになったのはいつ?
「24歳くらいからですかね。レベルの高い海外の選手とやって刺激を受けて。まあよくある話ですよ、簡単に言うと」
――複雑に言うと?
「複雑に言うと、きっかけはフランス代表との試合でアンリに吹っ飛ばされたことです。ボールを獲りに行ったら、腕一本で押さえられて、オレの勢いを手で殺しながら、その反動を使って、ポーンって前に行ったんです。一瞬で3mくらい離されて」
――みじめな感じ?
「そうです。周りは、『アンリつえーな』で終わっていたかもしれないですけど、オレの中では衝撃的でした。それまでもフィジカルの足りなさはちょこちょこと感じてはいましたけど、あの一撃で完全にわかりましたね」
――普段はどんなトレーニングを?
「シーズン中、試合が週1回の時は、試合翌日の午前に上半身をやります。キツいと感じる程度の重さ、ベンチプレスなら50とか52kgで10回を3セット、部位によって4、5種類」
――午後は?
「何もしないです。午後と次の日の1日半は休む。週明けに筋肉痛が取れていればまた上半身をやるし、取れていなければ下半身をやります。下半身も3セットが基本で、コンディションによって重さを変えたり、チューブを使ったり。今日は強くするためにやろうとか、次の週はバランスメインでとか、柔軟性メインでやろうとか、毎週違いますね」
――シーズン中、10カ月に渡ってそういうトレーニングをしていると、肉体的には相当ハードでしょう。
「代表の試合が入るとキツいです。でも、そこでオレはあんまり考えないんです。逆に考え込むと、バランス崩したりするんで」