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世界水泳目前で五輪出場が大ピンチ!
シンクロ日本代表が陥った強化の罠。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2011/07/05 10:30

世界水泳目前で五輪出場が大ピンチ!シンクロ日本代表が陥った強化の罠。<Number Web> photograph by AFLO

高難易度の楽曲に挑戦する「マーメイド・ジャパン」。メロディー性の少ない曲に変更し、打楽器のリズムに合わせて「嵐」を表現する

 7月16日から、中国の上海で、世界水泳選手権が行なわれる。

 実施される競技の中に、シンクロナイズドスイミングがある。今大会は、来年のロンドン五輪の出場権をかけた最初の戦いである。

 大会に向けて、日本代表選手たちは1日に10時間を越える猛練習に取り組んでいるが、その背景には、危機感がある。

 シンクロナイズドスイミングは、日本がオリンピックで常にメダルを確保してきたことから、お家芸と言われることもあった。

 苦戦が予想された北京五輪では、デュエットで銅メダルを死守。オリンピックでの連続メダル獲得の歴史をつなげたものの、チームは5位に終わった。

 北京五輪後、日本は失ったチームでのメダルの再奪取を目標にしてきた。ところが、メダルどころか出場自体が危うい現状がある。

アジア枠の前に立ちふさがる中国は井村雅代氏を再招聘。

 なぜそこまで追い込まれているのか。

 1つには、シンクロナイズドスイミングにおける、オリンピックの出場権獲得の独特のシステムがある。

 まずはどのように五輪出場枠が決まるのかを説明しておきたい。

 チームの五輪出場枠は8カ国。そのうち5枠は、大陸ごとに1カ国与えられる。そして残りの3枠は、来年の五輪最終予選で争うことになる。

 アジアの大陸予選は、世界選手権が兼ねることになっているため、アジアの枠で出場するには、アジア勢で1位になればよい。しかし強敵が控える。中国である。

 中国は、2009年の世界選手権のチームで、テクニカルルーティン、フリールーティンともに銅メダル(オリンピックではテクニカル、フリーの合計点で争うため1種目のみ)。日本はそれぞれ5位、6位であり、昨年のアジア大会でも中国が優勝という結果からしても、中国の実力が上だと考えざるを得ない。

 今春には、北京五輪のチームで同国にシンクロナイズドスイミング初のメダルをもたらした井村雅代氏が、再びヘッドコーチに就任した。磐石の体制と言ってよい。

【次ページ】 世界の強豪が揃う最終予選で3位以内に入れるのか?

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