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ブラジルの怪物来襲!極真空手テイシェイラ。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

PROFILE

posted2008/04/17 00:00

 かつて極真空手といえば、「一撃必殺」をキーワードに数々の最強伝説を残した格闘技だった。素手で牛や熊を倒す力強さにロマンを感じた人は数知れない。だが、'90年代に入ってからK―1が台頭。さらにPRIDEを始めとする総合格闘技が普及し始めると、極真の最強幻想は薄らいでいく。

 外国人選手として初めて極真の世界王者になったフランシスコ・フィリォはK―1デビュー戦で前年のK―1ワールドGP王者だったアンディ・フグを右フック一発で撃破。極真復活の狼煙をあげたが、K―1において確固たる地位を築くまでにはいたらなかった。年に一度のK―1ワールドGPで優勝することができなかったからだ。フィリォの後釜と期待されたグラウベ・フェイトーザもあと一歩というところでブレイクできずにいる。

 そうした現状を打破すべく、フィリォ、フェイトーザに続く第三のブラジリアンが、4月13日の藤本祐介戦でK―1デビューを果たす。彼の名はエヴェルトン・テイシェイラ。昨年の極真空手(松井章圭館長)世界王者で、フィリォが「ポテンシャルは私やフェイトーザ以上」と太鼓判を押す逸材だ。

 テイシェイラの胸板はプロレスラー並みに分厚いが、ほとんどウェートトレーニングをした経験はない。全て1日6時間以上に及ぶ空手の稽古によって培われたものだという。ヘビー級とはいえ、ベースをキックボクシングとするソップ型の体型が大勢を占めるK―1ヘビー級の中でテイシェイラの肉体は異端に映る。

 性格的にも日本人受けしそうだ。何しろテイシェイラの趣味は読書で、『宮本武蔵』をこよなく愛する。「どんなことを犠牲にしても、自分の道を貫く」という主人公の姿勢に感化されたのだと主張する。現に極真の世界王者となった現在もテイシェイラはストイック。K―1デビューに向けて連日平均して12ラウンドも顔面ありのスパーリングに励む。

 同門で極真世界ウェイト制中量級王者のアンドリュース・ナカハラは、K―1の16日後に行なわれるDREAMで桜庭和志を相手に総合格闘家としてデビューする。ルールを問わず、他の格闘技に挑戦し始めたブラジル極真の猛者たち。最強幻想を復活させるためにはインパクトの大きな勝ち方や試合内容が問われる。

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