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小畑沙織、引退。世代交代の波は来ている。 

text by

吉松忠弘

吉松忠弘Tadahiro Yoshimatsu

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photograph byHiromasa Mano

posted2006/06/22 00:00

小畑沙織、引退。世代交代の波は来ている。<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

 全仏テニスで森上亜希子が世界3位のペトロワを破った翌日(6月1日)、小畑沙織(28)が引退を発表した。3月に米インディアンウェルズで行われた大会の1回戦でピン(フランス)に敗れて以来、試合に出場していなかった。

 「ケガで、体が思うように動かなくなった。リハビリもやったが、痛みはなくならなかった」

 自己最高の世界ランクは'04年2月に記録した39位。前年には、タシケントオープンでツアー初の決勝に進出し、準優勝に輝いた。'04年のアテネ五輪では念願の日本代表として単複に出場した。

 左利きのカウンターショットを武器にした小畑は、エリート街道を歩んできた。ジュニア時代は、各年代のタイトルを総なめ。'96年の高校総体では富士見丘高の一員として単複団体の3冠に輝き、翌年、卒業と同時にプロに転向した。'98年には全日本で初優勝。まさに順風満帆のテニス人生だった。しかし、その全日本決勝で右ヒザの半月板を痛める。ケガを甘く見た小畑は、その後も半年ぐらい大会に出続けた。そのツケが後々、小畑を苦しめることになる。

 ヒザの容態は悪化し、'99年6月に手術に追い込まれると、約5カ月間プレーから遠ざかった。'98年に100位台まで上昇していた世界ランクは、'99年には953位にまで転落した。そうして初めて「テニスを真剣に考えるようになった」と言う。

 復帰後は1年で100位台に世界ランクを上げ、そのまま一気に世界の桧舞台に躍り出た。ただ、右ヒザの痛みは取れず、それをかばうために、今度は左ヒザや肩を痛めた。小畑の試合にはテーピングが不可欠で、試合中にトレーナーを呼ぶことも日常となっていた。'04年から'05年にかけて13連敗を喫し、再び100位以下に転落すると、そのままトップ100に復帰できず引退を迎えた。

 昨年、杉山愛と同級生だった吉田友佳が29歳で引退している。日本女子に、そろそろ世代交代の時期が訪れているのだ。今年31歳になる杉山が現役で引っ張る中、日本女子の選手寿命は長くなった。それでも、いつかは新旧は交代する。幸いにも中村藍子、そして森田あゆみ、高雄恵利加ら若手が順調に育っている。ひとまず、ここは小畑にお疲れと言いたい。

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