ベスト8の壁――。
再び日本代表の前に立ちはだかったそれは、いまもって高く、大きなものだった。2010年南アフリカW杯以来、2度目のPK戦による敗退。その先に広がる景色を見る夢は、またも叶わずに終わった。
だが、過去3度のベスト16と同列では語れまい。
W杯における日本の歴史を次々と塗り替えたからだ。2大会連続のグループステージ突破はもとより、スリルとサスペンスに満ちた逆転勝ちも過去に一度としてなかった。しかも、その相手が歴代王者のドイツとスペインだったのだから、歴史的快挙以外の何ものでもない。
世界に与えたインパクトも特大だった。やがてカタールW杯を振り返る時、日本人のみならず、世界中の人々が森保ジャパンの衝撃を記憶のミュージアムから取り出すだろう。ベスト8に名を刻んでも忘却の彼方――そうした国は過去にごまんとあるのだ。
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photograph by Takuya Kaneko/JMPA
