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ヴィッセルが進める“バルサ化”とは。
三浦淳寛SDに聞いた大改革の全貌。

posted2018/05/14 11:00

 
ヴィッセルが進める“バルサ化”とは。三浦淳寛SDに聞いた大改革の全貌。<Number Web> photograph by Shinya Kizaki

三浦淳寛SD(中央)のもと、林健太郎(左)と平野孝が特別チームを組む。かつてJを沸かせた選手たちの挑戦が神戸で始まっている。

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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Shinya Kizaki

 今、ヴィッセル神戸で静かに、大きな改革が進んでいる。

 昨年、W杯王者の元ドイツ代表・ポドルスキを獲得したことで話題になったが、それは序章にすぎなかった。今年はスタッフの補強にも力を入れ、アメリカ代表でクリンスマンの右腕だった咲花正弥をフィジカルコーチに招聘し、プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスで活躍していたデータ分析官を“社内異動”させた。

 施設への投資も惜しまず、本拠地となるノエビアスタジアムに天然芝を繊維で補強したハイブリッド芝を導入。シーズンを通して、質の高いピッチでプレーする環境を整えた。

 そして最大の改革として期待されるのが、親会社・楽天のパイプを利用してFCバルセロナのノウハウを知り、ヴィッセル独自のサッカースタイルを築くという“バルサ化”プロジェクトだ(独自スタイルの確立が目的のため、厳密に言えば「バルサ化」という表現はふさわしくないが、一般的なサッカーファンの間での認知度を考慮し、本原稿ではあえてこの言葉を用いることにしたい)。

三木谷会長からオファーを受けて。

 そのプロジェクトの陣頭指揮を取るのが、今年スポーツダイレクター(SD)に就任した三浦淳寛だ。

 三浦は同じ43歳の平野孝、2歳上の林健太郎に声をかけ、特別チームを編成。現在、三浦がSD、平野がアカデミー部部長兼スカウト部部長、林がトップチームのアシスタントコーチとして、それぞれの立場からプロジェクトを実行しようとしている。

 三浦にオファーが届いたのは、昨年12月のことだった。山形県で自身が運営するサッカースクールをやっているとき、ヴィッセルの三木谷浩史会長から「1度会えないか」と電話がかかってきた。

 三浦は東京に戻ると、会長の自宅を訪問する。そこで力を貸して欲しいと誘われたのだった。

【次ページ】 横浜F時代、レシャックとの出会い。

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