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大迫傑の世界ハーフ24位は順当だ。
それでも2時間5分台を期待する理由。

posted2018/04/05 17:30

 
大迫傑の世界ハーフ24位は順当だ。それでも2時間5分台を期待する理由。<Number Web> photograph by Shota Matsumoto

大迫傑のハーフマラソンのベストは2017年2月の香川丸亀国際ハーフマラソンでの1時間1分13秒。

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金哲彦

金哲彦Tetsuhiko Kin

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Shota Matsumoto

 ハーフマラソンでの世界一を決める「世界ハーフマラソン選手権」は、現在「世界クロスカントリー選手権」と交互に隔年で行われている。

 第23回を迎える今年は、3月24日(土)スペイン中東部、地中海に面した美しい港町バレンシアで開催された。日本代表は、男女合わせて9名。その中で注目を集めたのが大迫傑(ナイキオレゴンプロジェクト)だ。

 いま、男子マラソンに地殻変動が起きている。

 2月の東京マラソンで設楽悠太(ホンダ)が日本記録を更新したことで、2時間5分台と、その先の記録が現実味を帯びてきたのだ。

 そして「次はオレが」の筆頭が大迫であることは間違いない。

 昨年9月、設楽はヨーロッパでハーフマラソンの日本記録を更新(1時間00分17秒)しており、その勢いに乗ってフルマラソンの日本記録を塗り替えたことは紛れもない事実だ。それに対して大迫は福岡国際マラソンを2時間7分19秒でまとめていて、世界の強豪とハーフマラソンを走るのである。ワクワクしないわけがない。

 そして結果は、1時間1分56秒、24位

 数字だけみると「期待はずれ?」と思うファンもいるだろう。しかし私はそう思わない。課題は残したが、現状の力としては順当な結果だったと思う。

10km過ぎまではスローペースだったが。

 そう考える根拠をレース展開から振り返る。

 気温17度、風速9mの強い海風が吹くコンディションだった。入りの5キロは14分31秒。フラットなコースで村山謙太(旭化成)が大きな集団を積極的に引っ張ったが、比較的スローな出だしとなった。

 大迫は終始集団の中に位置し、5000mや10000mのトラックレースのような余裕を感じさせる走りを見せた。だが10km手前では強烈な向かい風と雨が選手たちを襲った。風で飛ばされることを嫌ったのか、大迫は被っていたキャップを脱いだ。

 10kmの通過は29分28秒。この間の5kmも向かい風の影響で14分57秒かかっている。集団から少しずつこぼれ落ちる選手もでてきたが、まだ大きな塊だった。

【次ページ】 5km13分台のランナーが12人も出た。

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