月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
「そだねー」「もぐもぐ」とオヤジ達。
カーリング女子に染まった日本列島。
posted2018/02/28 18:00
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph by
Ryosuke Menju/JMPA
「平昌五輪とスポーツ新聞」について書くなら、ピッタリの競技がある。羽生結弦のフィギュアスケート?
いや、「カーリング女子」なのだ。
新聞を擬人化したらおじさんだと私は思う。なら、今回の五輪でおじさんが夢中になった競技は何かと紙面を眺めてみると、後半一気に「差してきた」のがカーリング女子だった。
「初メダルへ今夜準決 もぐもぐ美女 韓国倒す カー女 vs. メガネ先輩」(日刊スポーツ・2月23日)
スポーツ紙は燃えた。それにしてもすごい1面見出しである。
ではオヤジジャーナルがカーリング女子に夢中になっていった過程を振り返りたい。
ついに出た! 「もぐもぐタイム」
『日刊スポーツ』を例にとる。
最初は「今日のガイド」的な記事で「メダルという期待の声もありますが、現実的には日本勢初の1次リーグ突破が目標でしょう」(元日本代表の市川美余氏)と紹介されたカーリング女子。
「まず14日の米国、15日のデンマークと連勝して、勢いをつけたい。同日の韓国戦で開幕3連勝できれば、4強進出の可能性は膨らみます」(市川)
すると、「カーガールズ初3連勝首位 開幕負け知らず完全アウェー韓国を逆転」(2月16日)
その勢いのままソチ大五輪銀メダルのスウェーデンから勝利を挙げると1面奪取。
「カー女4強王手」(2月20日)
試合以外では何といってもこれが大きかった。
「日本で注目『雰囲気ほんわか』もぐもぐタイム」(2月20日)
《試合中盤に軽食をほお張る「もぐもぐタイム」に目が離せなくなる人が続出すれば、韓国ではスキップ藤澤五月(26)のルックスが注目されている》
藤澤選手が「韓国のポータルサイト検索上位10傑に」という情報も。
この日を境に、カーリング女子へのオヤジジャーナルの傾倒がはじまった。