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坂本花織と三原舞依が互いを語る。
彼女たちもまた「最強のふたり」だ。

posted2018/02/05 07:00

 
坂本花織と三原舞依が互いを語る。彼女たちもまた「最強のふたり」だ。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

坂本花織(左)と、三原舞依(右)、平昌五輪では明暗分かれたが、彼女たちの輝かしいキャリアはこれからも続いていく。

text by

稲田修一(Number編集部)

稲田修一(Number編集部)Shuichi Inada

PROFILE

photograph by

Asami Enomoto

 天真爛漫と清楚可憐。

 そんな印象を受けるふたりのフィギュアスケーターだが、内面は少し、違った部分があった。

 フィギュアスケートの平昌五輪代表が決まった全日本選手権から2週間後の1月6日。坂本花織と三原舞依はNumber945号「平昌五輪直前総力特集 最強のふたり」のインタビューに応じた。

 ふたりは小学生の頃に出会い、神戸の名伯楽・中野園子コーチのもとで切磋琢磨し、ともに五輪を目指して歩んできた。だが、平昌五輪の日本女子の出場枠はわずか2つ。親友でありながらライバルでもあるという関係で、今シーズンを戦い抜いてきた。

 結果は、坂本が全日本選手権2位で五輪代表に決まり、三原は夢が叶わなかった。今回の取材では、ふたりがオリンピックに懸けてきた想いを、そしてお互いに対して今、どのような気持ちを抱いているのかを、しっかり聞きたいと思っていた。

三原の表情が真面目になった瞬間。

 最初に坂本のインタビュー。ホテルの部屋に入ってきた彼女は、意外と華奢だった。顔がとにかく小さい。氷の上では力感あふれるスケーティングと、飛距離のあるダイナミックなジャンプで大きく見えるが、実際は158cmと小柄なのである。

「(五輪出場に)ようやく実感がわいてきました」とほっとした表情を見せ、つねに笑顔を絶やさずに、可愛らしい関西弁でインタビューに答えていく。

 詳細はNumber945号を読んでいただくとして、表情が少し真面目になったのは、シニアデビューした今シーズン当初の戸惑いについてと、三原への思いについて語ったときだった。

 ジュニア時代は大会に出場している選手たちがみんな仲間で、つねに集まって話をしたり、食事に行ったりしていた。だが、シニアになると、いきなり五輪シーズンということもあり、全員がライバルである。

「リンクに行くと、バチバチッという感じだし、慣れるのが大変でした。ぜんぜん集中できなくなって、自分の思うように動けなかったり、ほかの選手に流されてしまったり……」

【次ページ】 五輪発表の瞬間、部屋には三原もいた。

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