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松坂大輔は少年ジャンプの主人公だった。
「50歳までマウンドに」と語った頃。

posted2017/12/22 07:00

 
松坂大輔は少年ジャンプの主人公だった。「50歳までマウンドに」と語った頃。<Number Web> photograph by AFLO

横浜高、西武、レッドソックス、侍ジャパン。当時の好投を知っていれば、松坂大輔という文字だけで湧き上がる想いがあるのだ。

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中溝康隆

中溝康隆Yasutaka Nakamizo

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 中日が松坂大輔を獲得調査しているらしいぞ。

 12月19日に日付が変わる直前、名古屋のテレビ局に勤める知人からLINEメッセージが届いた。翌20日には日刊スポーツで白井オーナーの否定的なコメントが報じられたが、その後報告を受け軟化。春季キャンプ前に入団テストを実施することになりそうだ。

 今オフに現役続行を希望してソフトバンクを退団後、スポーツ新聞各紙では「阪神が松坂サイドからの売り込みを断った」とか「台湾球界入りを模索か」なんて記事が度々掲載されていた。

 プロ野球界はシビアだ。

 一昔前は全世界の野球チームが欲しがった投手でも、いまや年俸2000万円でもファンから高いと言われてしまう現実。右肩の故障に苦しみ、この3年間で一軍登板はわずか1試合のみ。早いもので来年8月で、あの決勝戦でノーヒットノーランを達成した'98年夏の甲子園から20年が経過する。

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2006年、ポスティング狂騒曲の主役となった松坂。

 2017年ストーブリーグの話題を独占したのは、日本ハム大谷翔平のエンゼルス移籍だった。日米を巻き込んだ23歳の二刀流フィーバーに、11年前の出来事を思い出した野球ファンも多いのではないだろうか。

 2006年12月の松坂大輔ポスティング狂騒曲である。

 ジャイロボール論争から、12月14日のレッドソックス入団会見まで、連日報道された球団と松坂サイドの交渉経過。

 1カ月の交渉期間をフルに使い好条件を引き出そうとする代理人のスコット・ボラスの戦略に、メディアは「最悪、決裂も。松坂は西武ライオンズに戻るかもしれない」という論調すらあった。

 北朝鮮を巡る6カ国協議で注目されたヒル国務次官補は、ワシントンでの記者会見中に「マツザカはどうなった?」なんつって記者団に逆質問していたほどだ。

【次ページ】 あの時の松坂は『少年ジャンプ』の主人公だった。

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