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先行逃げ切り型のハリルジャパン。
劣勢時こそ布陣の“プチ整形”を!

posted2017/10/10 11:30

 
先行逃げ切り型のハリルジャパン。劣勢時こそ布陣の“プチ整形”を!<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

前線のファーストチョイスは大迫で決まりつつある中、前線の形を変えることで戦略も変えられるか。

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松本宣昭(Number編集部)

松本宣昭(Number編集部)Yoshiaki Matsumoto

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Takuya Sugiyama

 初戦に負けたら、突破確率0%。

 これはロシアW杯アジア最終予選で、日本が初戦のUAE戦で敗れたことによって、何度も何度も耳にしたデータだ。それでもハリルジャパンは見事にジンクスを覆し、ロシア行きの切符を勝ち取った。W杯本大会への第一歩となった10月6日のニュージーランド戦も、苦しみながら2-1で勝利。これでヴァイッド・ハリルホジッチ監督就任以来の戦績は、19勝7分4敗(国内組だけで臨んだ東アジアカップを含む)。悪くない数字に見える。

 ところが全30試合の中身を調べてみると、再び嫌なデータが見つかった。

 先制されたら、勝率0%。

 アジア最終予選では全10試合中9試合で先制に成功し、勝ち点20を積み上げた。一方で、唯一相手に先制ゴールを許したサウジアラビアとの最終戦は、0-1で敗北。前半は何度も好機をつくったものの、決めきれず。高温多湿の環境も影響し、後半は足が止まった。これ以外にも、先制された全4試合で逆転に成功した経験は、ない(4分1敗)。

最終予選で勝ち越し点を奪えたのはイラク戦のみ。

 現在の日本代表は、典型的な先行逃げ切り型のチームだ。事前に対戦相手の戦略を徹底的にスカウティングし、それに応じた厳しい守備と、鋭い速攻で試合のペースを握る。アウェーでは守備ブロックを組んで自陣に引き込み、ホームでは高い位置から激しくプレッシャーをかけて相手のポゼッションを封じた最終予選でのオーストラリアとの2試合は、典型例だろう。

 裏を返せば、劣勢の展開になったときに、ゲームの流れを変えることができない。実際、先制後に同点に追いつかれた最終予選4試合のうち、勝ち越しゴールを奪えたのは、吉田麻也を最前線に上げるパワープレーが奏功したホームでのイラク戦のみ。アジアでの戦いですらこうなのだから、チーム全体として試合の流れを変えるためのオプションづくりは、W杯本番に向けた大きな課題と言えるだろう。

【次ページ】 W杯本番では断念したがザックは3-4-3を模索した。

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