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畑岡奈紗、米ツアー1年目の支え。
「藍さんと一緒にプレーできる」

posted2017/07/17 08:00

 
畑岡奈紗、米ツアー1年目の支え。「藍さんと一緒にプレーできる」<Number Web> photograph by Kyodo News

日本女子ゴルフを引っ張ってきた宮里と、10代にして米国に挑戦する畑岡。高い志を持つ2人が出会ったのは、運命だったのかもしれない。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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Kyodo News

 迷彩柄のカバーは、ずいぶん年季の入ったものになった。

 昨年秋の日本女子オープン。畑岡奈紗は開幕前の会場で、ある先輩プロの関係者からコースメモを覆うビニール製のホルダーをもらった。

 その数日後、無我夢中でつかんだ国内女子最高のタイトル。

 アマチュアでのツアー優勝は1973年の清元登子、2003年の宮里藍、'12年のキム・ヒョージュ、'14年の勝みなみに続く史上5人目。国内メジャー大会を制した史上初のアマチュア選手となった。

 快挙から9カ月あまり。畑岡の手には当時と同じメモカバーが握られている。新品だったそれは今、少し日焼けして、細かい折り目が何重にも入った。まるでこの間の苦労が刻まれているようでもあった。

 日本女子オープン優勝後、プロ転向した畑岡はその年末に米ツアーの予選会を通過し、海を渡った。プロ1年生は18歳の誕生日を経てルーキーイヤーを米国で迎えた。

憧れの米国1年目、来季シード権が危うい状況に。

 昔から憧れた舞台で、いま彼女の目の前にある現実は厳しい。

 年を折り返す前に14試合に出て予選通過は4回。賞金ランキングは140位を下回り、来季のシード権確保が危うい状況にいる。

「やろうとしていることができなくて、打ち砕かれている感じです」

 6月の終わり。158cmの身体は、徒労感に満ちているように見えた。

 畑岡はアマ時代、ショットに定評がある選手として名高かった。ドライバーの飛距離は250ydを超える。米国で他選手と比較しても「自分の飛距離は戦えないほどではないと思っています」という実感がある。

 ただ「それ以上に精度が大事だと思っていた」積極的にピンを攻める持ち味がどうも発揮できない。「うまく噛み合わない」と自信を失いそうな時間を過ごしている。

【次ページ】 一度の苦い失敗が、10代の心をかき乱した。

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