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韓国女子ゴルファーには勝てない!?
キム・ハヌル、イ・ボミらの壮絶秘話。
posted2017/07/16 09:00
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph by
Getty Images
近年、世界の女子ゴルフツアーを席巻しているのが韓国人選手であることは、それぞれのランキングを見れば一目瞭然だ。
今季は世界ランキング1位にユ・ソヨン、5位にチョン・インジ、7位にパク・インビ、9位にエイミー・ヤン、10位にキム・セヨン、11位にパク・ソンヒョン、13位にジャン・ハナ、15位にイ・ミリムと韓国人ゴルファーが上位にその名を連ねている。ニュージーランド国籍を持つ同4位のリディア・コも韓国出身選手だ(7月10日時点/以下同様)。
日本人選手の世界ランキング最上位が野村敏京の19位と、その実力は大きく引き離されている感がある。
一方、日本女子ツアーに目を向けると、賞金ランク1位で今季3勝のキム・ハヌル。その下にはイ・ミニョン(3位)、全美貞(5位)、アン・ソンジュ(7位)、申ジエ(11位)が続く。今年は少し調子を落としているが、2015年と2016年の賞金女王のイ・ボミ(19位)の強さと人気は、日本でも大きな社会現象になった。
なぜここまで韓国人女子ゴルファーは強いのか――。
その答えをひとつの要素だけで決めつけるのは難しいが、その強さの理由が垣間見られる壮絶エピソードは数多くある。
申ジエ、キム・ハヌル、イ・ボミ。同い年のスター選手。
国内女子ツアーの現場で数多くの韓国人選手に話を聞いたが、筆者がかなり驚かされたのは申ジエ、キム・ハヌル、イ・ボミの3人のエピソードだった。
彼女たちに共通するのは、1988年生まれであること。裕福な家庭でないが、韓国ツアーの賞金女王のタイトルを手にしたという事実がある。
そして重要なのが、その時代背景である。
彼女たちが生まれて9年後の1997年、韓国は通貨危機による経済難を経験し、国家破綻寸前まで追い込まれていた。