“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
久保建英は同世代の強烈な刺激に。
平川怜、監物拓歩らが見せた競争心。
posted2017/04/12 17:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
4月8日に開幕したユース年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯プレミアリーグ。イーストの開幕戦は味の素スタジアム西競技場で、2日間にわたり全5試合が行われた。
初日の第2試合、FC東京U-18vs.清水エスパルスユースの一戦では、世界の檜舞台を目指す、「00ジャパン」(※2000年1月1日以降生まれのU-17日本代表)世代のタレント達が激しい火花を散らした。
FC東京U-18のMF久保建英と平川怜。清水ユースのDF監物拓歩(けんもつ・たくむ)。この3人はU-16日本代表として、昨年9月のAFC U-16選手権を戦い、今年10月に開催されるU-17W杯出場権を掴みとった。中でも久保と平川の2人は、この世代の旗手的存在である。
「U-17W杯まで後6カ月なので、そこで活躍をするためにFC東京でJ3に出させてもらったり、ユースでもレベルの高い環境でもやらせてもらって、自分を高める環境は凄く整っている。後は自分の意識次第。現時点ではそこが一番近い目標です」
平川がそう言い切るように、今年の一戦一戦が世界に向けた自己研鑽の重要な舞台になる。その試合で、久保はツートップ、平川はダブルボランチの一角に入った。そして、監物はCBとして彼らを迎え撃った。
久保のテクニックの高さを感じさせた直接FK弾。
そして、3人それぞれが持ち味を出しきった。
13分に平川が鋭い出足でボールを奪ってドリブルで持ち込んで両チーム最初となるシュートを放つ。その4分後には清水ユースの平墳迅(ひらつか・じん)が左足シュートを決めてスコアを動かしたが、25分には久保が鮮烈な同点ゴールを叩き込む。
久保自らが仕掛けて獲得したゴール右寄りからの直接FK。久保が左足を振り抜くと、ボールは壁の頭上を越えてゴール右隅に吸い込まれた。久保らしい高度なテクニックに裏打ちされた一撃だった。