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試合を台無しにする誤審を撲滅せよ!
Jリーグの審判に必要な競争と育成。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byTakao Yamada

posted2010/10/09 08:00

試合を台無しにする誤審を撲滅せよ!Jリーグの審判に必要な競争と育成。<Number Web> photograph by Takao Yamada

9月25日に等々力で行われた川崎F-G大阪戦は前半は1-1。後半にルーカスが決勝点を決めて1-2でG大阪が勝利した

 Jリーグの審判のレベルをどうとらえるべきか? それをあらためて考えさせられる機会があった。

 第24節の川崎対ガンバ大阪戦のことだ。後半40分、矢島卓郎のクロスがガンバDFの足に当たってラインを割ったにもかかわらず、高山啓義主審は川崎のCKにはせずに、ガンバのゴールキックの判定。その直後の流れから、ルーカスの決勝点が生まれた。上位を狙う川崎にとっては、あまりにも痛い誤審だった。

 筆者は7月にこのコラムで書いたように、Jリーグの笛のレベルを上げるには、選手の意識改革も必要だと考えている。しかし、試合の勝敗に大きく影響する“疑惑の判定”が、Jリーグでなかなか減らないのも事実だ。

 いったいどうすれば審判のレベルは上がるだろう? 今回あらためて、Jリーグの審判の現在地を、世界で最も国際主審が多いドイツの例と比べることで検証してみたいと思う。

誤審には毅然たる態度でのぞむ競争原理はJリーグにもある。

 筆者がドイツに6年間住んでいるとき、審判について驚かされたのは「競争」が厳しいということだ。大きなミスをしたレフェリーは、容赦なく表舞台から葬り去られてしまう。

 2007年9月30日の、ブンデスリーガ2部の1860ミュンヘン対コブレンツ戦のことである。

 ルップ主審は1860のゲクタンが倒されたのを見て、笛を吹いてプレーを止めた。だが、この29歳の青年審判は、誰が倒したかきちんと見えていなかったらしい。彼は第4審判と競技した末に、マフリッチにレッドカードを出した。反則したのは、バイッチだったにもかかわらず……。

 翌シーズン、ルップ主審はブンデスリーガ2部の主審リストから外されてしまった。たとえ若手でも、容赦なくリストラするのがドイツである。

 では、日本の場合はどうか。実はJリーグも、ドイツほど厳格ではないが、審判の昇格と降格の制度が設けられている。レフェリーはすべての試合を採点され、問題があるときは降格させられる。過去にJ1からJ2に落とされ、さらにJ2のリストから外されてしまった審判もいた。

 つまり、外に向けて積極的に情報開示はしていないが、内輪では厳しい目があるということだ。「競争」という仕組みについては、Jリーグの審判も合格点を与えられるだろう。

【次ページ】 ドイツではプロアマ問わず全チームに審判育成の義務が。

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