沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
武豊が見つけたキタサン最強の形。
大阪杯完勝で、凱旋門もGoサイン。
posted2017/04/03 11:15
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
最強の形が、ついに完成されたか。
今年からGIに昇格した第61回大阪杯(4月2日、阪神芝内回り2000m、4歳以上GI)を、1番人気に支持された武豊のキタサンブラック(牡5歳、父ブラックタイド、栗東・清水久詞厩舎)が快勝。3歳時の菊花賞、昨年の天皇賞・春、ジャパンカップにつづくGI4勝目をマークした。
キタサンブラックにとって、この大阪杯は、首差の2着に惜敗した昨年の有馬記念以来、約3カ月ぶりの実戦だった。パドックでは、ときおりツル首になって気合を表に出し、返し馬では、やや行きたがる素振りを見せていた。それでも、鞍上の武が制御できないほどではなかった。
同じ休み明けでも、GI→休養→GIという形は最もテンションが高くなりやすいはずだが、マックスでもここまでしかカリカリしない、ということが確認できた。この馬は、ゲートが開く前にエネルギーを浪費することはない。
逃げ馬を先に行かせ、武が流れを支配。
速いスタートを切ったキタサンブラックは、ゲートからの10完歩ほどで先頭に立ちかけたが、逃げ宣言をしていたマルターズアポジーとロードヴァンドールを外から行かせ、3番手に控えた。このとき武が手綱を引くと、やや首を高くして掛かりそうになったように見えたが、1コーナーに入るころにはピタッと折り合っていた。
逃げたマルターズアポジーの1000m通過は59秒6。このメンバーと、良発表だった馬場を考えると、けっして速くはない。
「展開が読みやすいメンバーで、想定していたとおりになりました」と武。
キタサンブラックは、逃げ馬から10馬身ほど離れた3番手につけていた。他馬はその動きを注視しながらのレースとなり、実質的には武が流れを支配していた。