酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
世界がやっと菊池涼介に気がついた。
データで見るNPB史上最高の守備能力。
posted2017/03/17 11:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
世界が菊池涼介に注目し始めた。
WBC2017は、日本の快進撃に沸いている。アメリカでも大きく取り上げられるようになった。様々な選手が報道されているが、とりわけ菊池涼介の守備に大いに注目しているようだ。
センター前に抜けようという打球に飛びつき、たびたびピンチを防いできた。アメージング! と言う声も上がっている。
私は「ふふん、今頃気が付いたか」と思った。日ごろから数字をいろいろと調べていて、菊池涼介が「異次元の二塁手だ」ということを知っていたからだ。
守備成績の項目に「補殺(Assist)」というものがある。打球を捕り、塁に送球をするなどして、打者、走者をアウトにするプレー。二塁手の場合、ほとんどがゴロだ。
2016年、2位に50近い大差をつけて捕殺数1位。
2016年、NPBの二塁手の補殺数ベスト5は以下の5人だ。
1.菊池涼介(広島) 525 141試合
2.田中賢介(日本ハム) 476 142試合
3.浅村栄斗(西武) 450 142試合
4.西野真弘(オリックス) 448 142試合
5.山田哲人(ヤクルト) 417 133試合
菊池は2位の日本ハム田中賢介に50個近い大差をつけて、補殺数では断トツの1位だ。
年間で他球団の二塁手より50も多いゴロを処理しているのだ。菊池の貢献度は予想以上に大きい。
もちろん、ゴロは飛んでこなければ処理できない。昨年の広島には、黒田博樹と言うMLB時代から屈指の「ゴロ打たせの名人」がいた。さらに、一塁は39歳の新井貴浩で、守備範囲はぐっと狭くなっている。菊池の仕事が増える素地がそろっていたのだ。