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キャプテンでボランチでラームで。
ドイツでの酒井高徳は、全然違う。

posted2017/03/16 10:30

 
ブンデス最年少キャプテン、しかも外国人選手。ドイツでの酒井高徳の存在感、説得力は日本で感じる以上のものがあるのだ。

ブンデス最年少キャプテン、しかも外国人選手。ドイツでの酒井高徳の存在感、説得力は日本で感じる以上のものがあるのだ。

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寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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AFLO

「この運は後半にはついて来ないぞ。もう絶対に使えない。だけど、この試合をモノにするチャンスをくれたんだから、絶対にこの試合を勝つぞ!」

 ハーフタイムのロッカールームでハンブルガーSVのキャプテン酒井高徳はそう訴えて、ピッチへと向かった。1-1で迎えた後半も前半同様にピッチ中央に立つ酒井は、両手を広げてDFラインにラインアップを要求し、前線の選手を励ましたり、声と身振りでチームメイトを鼓舞し続けた。

 そして本人もピッチを走り回り、味方の穴を埋め、敵の穴ではチャンスを作った。システム上でもそしてメンタル面でも一体感を演出する酒井は、試合の終盤にサポーターにも「ともに戦うぞ」と訴える。そして、80分に自ら高い位置でインターセプトしたボールをゴール前へ素早く送り、そこから逆転弾が生まれた。

 混戦する残留争い。前日の試合でライバルたちが勝ち点を積み上げていた。3月12日ブンデスリーガ第24節、ボルシアMGをホームに迎えた。この1勝の意味は大きい。

酒井がキャプテンになってからチームが上昇気運。

 開幕戦こそ引き分けたものの、その後は4連敗。第6節からはギスドル新監督が指揮を執る。10月25日のドイツ杯で、初めて酒井をボランチで起用して3部相手に4-0と快勝を収めると、酒井はそのポジションに定着。それでも第9節、第10節を落とした指揮官は、「新しいカルチャーが必要だ」と酒井をキャプテンに指名する。疲れを厭わずチームのために闘う姿勢を評価しての決断だった。

 その効果は、チームにすぐに表れる。酒井がキャプテンとなって以降は3勝2分1敗で、ウインターブレイクを迎えることができた。

 リーグ戦再開後で2連敗したが、第19節のレバークーゼン戦を1-0で、第20節にはライプツィヒを3-0で下し、残留圏内の15位に上昇。その後1分をはさみ、第22節バイエルンには0-8という大敗を喫したが、翌節には1-0とヘルタ相手に勝利し、ボルシアMG戦を終えて、今季3度目の連勝となった。

【次ページ】 本職のボランチとはまた違う酒井の武器。

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