サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
15歳の久保建英、U-20の中心になる。
飛び級懐疑説を封じる完璧なゴール。
posted2017/03/10 08:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
鮮明なる解答だった。中学3年生でも、飛び級でも、久保建英はU-20日本代表でやっていける。
5月20日開幕のU-20ワールドカップ(W杯)で、日本は5大会ぶりに世界と対峙する。内田篤人や香川真司がピッチに立った2007年以来の出場だ。
内山篤監督が率いるチームは、3月8日にFC東京と練習試合を行った。元日本代表の指揮官は招集した22人をふたつのチームに分け、4-4-2のシステムで45分ずつプレーさせた。U-20W杯開幕まで2カ月強となり、メンバーの絞り込みを進める狙いだ。
昨年11~12月のアルゼンチン遠征に続いて招集された久保は、後半から小川航基と2トップを組んだ。ジュビロ磐田に所属する小川は、最前線で起点を作るターゲットマン・タイプである。前線の軸として機能してきた183cmのFWとの同時起用は、紛れもないテストだっただろう。
久保「決めるだけの簡単なゴールでした」
好機はいきなり訪れる。後半8分、ペナルティエリア内で小川からパスを受ける。プレッシャーは受けていない。フリーだ。ワントラップから左足を振り抜き、チームの2点目をマークした。FC東京に声援を送っていた観客からも、アカデミーに所属する15歳に拍手が送られた。
「あれだけフリーなら決めるでしょう」とは、試合後の内山監督である。久保自身も「決めるだけの簡単なゴールでした。落ち着いていたというよりも、決めなきゃいけなかったです」と、顔色を変えずに振り返る。
見どころはむしろ、ここから先に詰まっていた。
昨年10月まではU-16日本代表に招集されていたため、U-20日本代表における久保は“遅れてきたタレント”である。自らが持つ「個」の力を生かすためにも、コンビネーションを高めていかなければならない。2月のU-18Jリーグ選抜で得点やアシストを記録できなかったのも、チームとしての連係が整っていないことに理由があった。