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「日本=運動量」という代名詞の話。
男女のアイスホッケーを例に考える。

posted2017/02/16 08:00

 
ソチの時には10位だった世界ランクも7位まで上がり、日本の女子アイスホッケーはメダルを争う圏内にいる。

ソチの時には10位だった世界ランクも7位まで上がり、日本の女子アイスホッケーはメダルを争う圏内にいる。

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Kyodo News

 運動量――。

 フィジカルで劣る日本代表チームの長所として、二言目には、必ずといっていいほど発せられるキーワードだ。

 2015年のラグビーワールドカップで南アから大金星を挙げるなど3勝を果たしたラグビーも、リオ五輪でベスト8と躍進した女子バスケットも、そして、このたび、ピョンチャン五輪最終予選で全勝し本戦出場を決めた女子アイスホッケーも、そうだった。

 アイスホッケーで言えば、男子は昨年9月、ラトビアで開催された最終予選で全敗している。もちろん運動量は意識していたはずだが、まったく通用しなかった。

 では女子アイスホッケーは運動量を武器に、どうやって勝っているのか。今回の最終予選で、それを確認したかった。

男子では、女子にないボディコンタクトがある。

 初戦のオーストリアには6-1、2戦目のフランスには4-1と、日本は圧勝した。時間が経過すればするほど、確かに、日本の運動量は際立った。エースの久保英恵は言う。

「運動量で負けていると思ったことはないですね」

 全勝対決となったドイツとの最終戦は、そこまで運動量が目立ったわけではないが、統率されたディフェンスもまたその賜物だと言えた。

 この戦い方を、そのまま男子代表に移植することはできないのか。男子チームのコーチを務めた経験を持つ女子代表監督の山中武司に、そうぶつけてみた。すると、真っ先に「男子はボディーチェックがありますからね」と言った。

 男子アイスホッケーのボディーコンタクトは凄まじい。壁際でパックを持った選手に激突し、スクラップ状態にするさまは、球技において、こんなことが許されていいのかとさえ思える。山中は他競技でもっとも参考になるのはラグビーだと言う。

「ラグビーも、アイスホッケーも、肉弾戦ですから」

【次ページ】 「女子はスピードと運動量で勝てれば活路がある」

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