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ロジャー・フェデラー、復活を語る。
「自分がこんなにテニスが好きだとは」

posted2017/01/30 12:40

 
ロジャー・フェデラー、復活を語る。「自分がこんなにテニスが好きだとは」<Number Web> photograph by Hiromasa Mano

1981年8月8日、スイス・バーゼル生まれ。怪我のため昨夏から欠場し今季開幕から復帰。185cm、85kg。

text by

ヘレン・スコットスミス

ヘレン・スコットスミスHeren Scott-Smith

PROFILE

photograph by

Hiromasa Mano

 全豪オープンで見事な復活優勝を果たしたロジャー・フェデラー。
 NumberWebではその偉業を称え、Number919号の掲載記事を特別にWeb公開することにいたしました!
 年間ランキングトップ10からフェデラーの名が消えるのは、上り調子の20歳だった'01年シーズン以来の事件でした。しかし、昨季の半分をリハビリに費やしてしまった彼に、焦りや諦めの様子はまったく感じられません。
 今季の開幕から復帰したレジェンドは、どんな言葉で尽きない野望を語ったのでしょうか。

 彼の姿は、本来なら10月のバーゼルにあるはずだった――。

 もっと遡るなら、8月のニューヨークの全米オープン会場にも、彼はいる予定だった。もちろん最も望まれたのは、ラケットを手に、コートを縦横に駆ける姿である。しかし2016年2月に左膝の手術を受けた彼は、7月上旬のウィンブルドンを最後にシーズン残り全ての大会出場を取りやめ、来季に向けリハビリとトレーニングに専念することを宣言していた。それでも依然、絶大な人気と存在感を誇る彼は、“テニス界の顔”としての役目を乞われ、全米オープンやスイス室内選手権で会見等を行う予定だった。しかし全米オープンでの彼は、会場まで足を運びながらも、大会が始まると公衆の面前に姿を現すことなく、密かにニューヨークを後にする。スイス室内選手権では、開催地のバーゼルに足を運ぶことすら頑なに拒んだ。彼は、自身が立つことのできないコートに、傍観者として居合わせる痛みに耐えがたかったのだ……。

「この4週間、劇的に回復しているよ」

 バーゼルから約200km離れたジュネーブ。史上最多17度のグランドスラム優勝を誇り、その美しいプレースタイルから“神が創造した芸術品”とまで称賛される彼、すなわちロジャー・フェデラーは、会場の喧騒や熱気から離れたその町で、自らの胸の内を語り始めた。ケガの回復具合、リハビリの状況、復帰への渇望、そしてテニスへの愛情を――。

――膝の回復状態はどうですか。

「この4週間、劇的に回復しているよ。夏のリオ五輪と全米オープンを欠場するというのは、本当に辛い決断だった。ただその全米オープンの頃から、膝の状態がとても良くなっているのを感じているんだ。もちろん焦ってはいけないし、今でも激しいトレーニングの後は、長い休みをとる必要もある。でも全豪オープンまでは、まだ80日もあるからね。80日というのは、テニスプレーヤーにとっては相当に長い時間なんだ。通常僕たちは、シーズン最後の試合を終えてから約30日後には、次のシーズンに向けて準備を始めなくてはいけないのだから。

 リハビリはまだ完全復帰への最終フェーズには入っていないけれど、この先の数週間が、とても大切になるだろうね。いずれにしても、自分の現状や今後の展望に関しては、非常にポジティブに捉えているし、満足もしているよ」

【次ページ】 「全豪の1カ月前くらいからテニス中心の練習を」

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