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「心のせいにして技術から逃げてた」
10年目・石川遼が向き合う“悪癖”。

posted2017/01/25 11:00

 
「心のせいにして技術から逃げてた」10年目・石川遼が向き合う“悪癖”。<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

衝撃的なプロデビューから約9年を経たとはいえ、石川はまだ25歳。プロゴルファーとして脂の乗ってくる年齢である。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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Yoichi Katsuragawa

 小さな画面を凝視して、石川遼は考えを巡らせていた。

 一言二言つぶやいては、また打席に戻る。試合会場の、人もまばらな練習場。日本から佐藤賢和キャディが持ち込んだビデオカメラでスイングを撮影し、数球打つたびにディスプレイで動きを確認する。

 カリフォルニア州の内陸部、パームデザートはロサンゼルスから東へ200kmの地点にある砂漠地帯。石川はプロ10年目最初の戦いを、当地でのキャリアビルダーチャレンジで迎えた。アメリカPGAツアーに本格参戦した2013年の初戦と同じ場所。プロテニスの大会でも有名な岩山で囲まれたリゾート地は、連日季節外れの雨と寒さに包まれていた。

「上の選手に比べて、僕には技術が足りない」

 2008年1月のプロ転向から9年、年始に“一年の計”を語る石川の瞳はいつも輝いていた。だが今年は、少しばかり様子が違った。年明けの渡米前も、その後も。

「上の選手に比べて、僕には技術が足りない。結果が出ている選手は勢いだけでなくて、技術の裏付けがある」と、過去を省み、自分に厳しく当たる言葉ばかりを繰り返していた。

 PGAツアーでの過去4年。ポストシーズンのプレーオフに進んだ2013-14年シーズンをのぞけば、綱渡りで出場権を維持する年が続いている。日本ツアーでは昨年、故障から復帰してから出場した6試合のうち4試合でトップ10入りし、うち1試合で優勝した。だが、実績を加味すれば「復帰した直後とはいえ、残りの試合で勝ちきれなかった事実はある」と憂う声も少なくない。

 石川自身もそう感じ、主戦場の米ツアーに戻れば再び他選手のレベルの高さを痛感している。期待よりも、危機感や悲壮感がその身に漂う年の初めだった。

【次ページ】 精度の低さの原因は、スイングの根本を揺るがした。

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