プレミアリーグの時間BACK NUMBER
マンUが久々に優勝戦線へ参戦か?
イブラは流石、あとはポグバだけ。
posted2017/01/21 11:00
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Getty Images
「恐れるものなど何もない」
アウェイでのプレミアリーグ21節マンチェスター・ユナイテッド戦を前に、リバプールのユルゲン・クロップ監督は言っていた。似たことがメディアで盛んに言われたのは、今季前半戦の10月。マンUは、ホームでのストーク戦(1-1)とバーンリー戦(0-0)を含むリーグ戦4試合で1敗3引き分けに終わり、巷では新監督のジョゼ・モウリーニョが「もはや“スペシャル”ではない」と言われてもいた。
同月末のリーグ順位は8位。後半戦2試合目でホームにリバプールを迎えた時点では6位。2つしか順位を上げられないまま、リバプールを含むトップ集団の後塵を拝し続けているように見える。
だが、実際のマンUは過去2カ月間で大きく変わっている。正確に言えば、モウリーニョのチーム作りが具体的な形を見せ始めた。昨年11月6日の11節スウォンジー戦(3-1)から、プレミア6連勝で臨んだリバプール戦前には、「勝てば一気に優勝争い復帰」と語る識者も現れた。
6バックで引き分けを狙った姿はどこへやら。
元マンUのポール・スコールズだが、中立的な立場でも頷ける意見だった。オールド・トラッフォードでの12節アーセナル戦では内容でパスサッカー集団を圧倒し(1-1)、翌月の15節トッテナム戦でも、積極果敢な姿勢ではアーセナルに勝るとも劣らない敵に主導権を握られることなく、ホームで勝利していたのだ(1-0)。
結果的に1月15日のリバプール戦には勝てなかった(1-1)。前半にジェイムズ・ミルナーのPKでリードを許し、フルタイム6分前にズラタン・イブラヒモビッチのゴールで敗戦を免れた格好だった。
しかし同じ引き分けでも、前回対決でのマンUとは違っていた。アウェイで戦った前回は6バック状態で敗戦回避を狙ったが、今回はタフな中盤をバイパスすべくロングボールを厭わないダイレクトな攻め方ではあったものの、勝利を目指して戦い続けた。前半20分の絶好機を逃さずに先制していれば、攻守にフル戦力ではなかったリバプールからの3ポイント獲得は現実的だった。