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“キタサン”冠名の誕生秘話。
北島三郎とこれまでの愛馬たち。
posted2016/12/22 11:40
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Keiji Ishikawa
1年の締めくくりドリームレース有馬記念が12月25日に行われる。13万以上の票を獲得し、ファン投票1位でグランプリに挑むのが、キタサンブラックだ。
4000勝超えジョッキー武豊とのコンビで今年は天皇賞・春とジャパンカップのGI2勝。勝てば年度代表馬が近づく。
本命馬のオーナーは言わずと知れた歌手の北島三郎さん。歴代1位、紅白歌合戦出場50回を数える北島さんがサラブレッドのオーナーとなったのは53年前(1963年)。初めて持った馬との間には、涙の物語があったという。
息子と同じ名前をつけた、最初の愛馬。
北海道出身の北島さんの実家には農耕馬がおり、北島さん自身元々馬が好きだった。デビュー当時所属した事務所の社長が馬好きで、馬主だった縁もあり、最初の馬を持つことになった。
「最初の馬にはリュウと名づけました。息子と同じ名前です。これが中山の芝1200mでデビューして、新馬勝ちしてくれてね。この時の感動は今でも忘れることはできません。歌の世界に例えると、ミリオンヒットを飛ばした時みたいな気分だったなあ」
リュウは、その後も新潟の飯豊特別を勝つなど活躍した。
「でも、どんないい馬でも別れの時は必ず来る。そうすると息子の名前を付けた馬と別れるのがつらくてねえ。それで馬に身内の名前をつけるのはやめようと思ったんです」
「キタサンブラックと同じく目がものすごくきれいだった」愛馬との“再会”は引退から5年後だった。