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宮里藍とパッティングとおにぎり。
来季完全復活の兆しはどこから?
posted2016/12/04 07:00
text by
南しずかShizuka Minami
photograph by
Shizuka Minami
11月中旬に行われた最終戦、宮里藍は、プレーの合間にトントンと腰を叩き、ストレッチをする。約1カ月前に発症した腰痛の影響で、明らかに精彩を欠いていた。右目は軽く充血して、連戦の疲労が溜まってることも見て取れた。
コンディションが整ってなかったためか4日間ずっと下位争いに甘んじたが、だからこそ挑戦できたことがあった。
パットの「クロスハンドグリップ」を試したのである。
「ここ2カ月ぐらい、練習の合間にクロスハンドで打ったりしてたので、全く違和感なくやれました」
クロスハンドグリップとは「右手を上、左手を下にしてグリップを握ること」である。コンベンショナルグリップ(一般的な握り方)に比べて、手首の余計な動作が入りにくいことが利点だ。
宮里が試合中に試したのは、実に約7年ぶりであった。
「やってみた結果、すごく良かったです。(最終戦の最終日だったので)気持ち的に楽だったこともあり『やるなら今しかない!』と」
果たしてクロスハンドは解決法となるか?
今季の前半は、3年ぶりに3位入賞するなど存在感を見せたが、平均パット数30.38(120位/158選手中)が示すように後半はパットに悩まされ、見せ場がないまま終わった。
「(試合の)プレッシャーになると、どうしても手が動かなくなるので(クロスハンドの方が)何も考えずにできて良いなという感じです」
3年前のパットのイップスに陥った時より全然状態は良いが、まだパットが安定しない。
クロスハンドが解決法となるのか――試行錯誤は続く。